地方創生の促進や、インバウンド観光客の増加により、日本各地で「観光」への注力が行われています。
空港や駅をはじめ、観光案内所には数多くの観光ガイドマップが置かれ、観光客にアピールし、一人でも多くの方に現地に足を運んでいただこうと工夫を凝らしています。
課題となるのは、手に取られるかどうか、そして持っていって行ってもらえるかかどうかだといえます。
「どんどんなくなる」と言われた観光マップの製作秘話
秋田県横手市は、2005年に平成の大合併により周辺8市町村が合併し誕生した街です。
合併後初の観光ガイドマップを提案・製作したのが、東北全域・日本全国を対象にビジネスを展開する広告代理店「東北プリントワールド株式会社」の高橋慶彦さんです。
紙面が限られる中で、地域の良さを伝えることに苦心しました。地域のみなさんの心の中にある、合併によって自分の地域が埋もれてしまうのではないかという懸念を払拭しつつ、しかし価値あるものを作りたかったのです
と当時を振り返ります。
高橋さんが制作した観光ガイドマップは、「どんどんなくなるので、節約しながら使っています」と、市の職員が言うほどの人気を誇りました。
なぜ、そのような観光ガイドマップを制作することができたのか、そのポイントを聞きました。
ニーズが高まる観光ガイドマップ
改めて、観光ガイドマップの役割をまとめておきましょう。
観光ガイドマップの目的は、地域の魅力を伝えることです。
横手市のように、新しくなった街であれば、認知度を高め、魅力を伝え、ファンを増やしていくことに活用されています。
海外から訪れる人にとっては、多国語の観光マップは、訪れた地域を楽しむ必須アイテムのひとつでしょう。
選ばれるために工夫が必須
しかし地域の数だけ、観光ガイドマップはあるといっても過言ではありません。
まず手にとってもらい、持っていただくということが必要です。
そのための工夫や、目の付け所とはどのようなものなのでしょうか。