地域に飛び出す公務員アウォード2016の第一次審査がいよいよ開始した。
チャレンジャーのページのいいね!の数で競い、上位10名が最終選考に選ばれる。
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このアウォードは、業務時間外での時間を活用して、地域の住民と共に地域活動をしている公務員、通称「飛び公」を表彰するアウォード。2013年から実施されており、今回は、2年ぶりの開催になる。
今回は、地域に飛び出す公務員アウォード2016にエントリーしている、宮崎ベースキャンプの創設メンバーで、宮崎市役所勤務、西博之さんと池袋耕人さんを取材した。
ゴミ拾いは、地域の宝さがしだ。
西さんと池袋さんは、宮崎市のプロジェクトメンバーらと2015年に宮崎ベースキャンプを設立。やる気にあふれたメンバーに触発され、「できることからやってみよう」の精神で、活動を開始した。
「”補助金がおりないからあきらめよう”、”計画がたたないからやめよう”ではなく、”できる方法を考える”のが宮崎ベースキャンプの基本方針です。また、いきなり大きなことを考えるより、小さなことでも活動を継続することが大事だと考えました。」と西さんは語る。
活動の手軽さと継続性から、毎月2回の「ゴミ拾い」をスタート。
地道に中心市街地や公園のベンチ磨きなどを行っていると、1人、またひとりと賛同者が増えた。現在では、ゴミ拾いを通じて発見した地域の課題について、清掃後に「対話」の時間を設けている。そこで、課題やニーズを共有し、課題解決に取り組んでいる。
商店街の団体からMVPを受賞
これらの地域に根ざした活動が高く評価され、商店街の団体から年間活動MVPを受賞した。
継続している事を高く評価していただいた。
短い活動期間にもかかわらず、受賞できたり理由について、池袋さんは、「簡単なことで、誰でもできることだけど継続することが難しい。その意味で、誰もやっていない活動と評価いただいているのかなと思います。最近では、”ゴミ拾いの人達”なんて言われます笑」と語る。
失敗から学んだ継続の大切さ
「何事も継続していくことなんです」と笑顔で語る西さんと池袋さん。これまでも何度か大きいプロジェクトを掲げて、中途半端で終わったしまった苦い経験があるそうだ。
商店街のみならず、宮崎ベースキャンプの活動は、地域からの信頼も厚い。
宮崎大学地域資源創成学部講師の土屋さんは、
「宮崎ベースキャンプは、ゴミ拾いからはじめたのが良かった。仮に最初から大きいイベントを掲げていたら違う見え方になっていたかもしれない。これからも原点を忘れずに活動を続けて欲しい。」と語る。
ゴミ拾いで、発見したこと
宮崎ベースキャンプは、ゴミ拾いを通じて、街中には、想いをもっていて、行動をするきっかけがない人がたくさんいることに気づいた。
「ゴミ拾いで得たことは、人のつながり。地域を良くしたいという想いをもつ人は、地域の宝だと思います。私たちのゴミ拾いがきっかけとなって、これまで街中に出る機会の少なかった高校生も街中に出てきて、まちの未来を考えるようになっています。」と西さんは語る
ゴミ拾いという手軽にはじめられるイベントで、地域づくりに参加して、一緒に汗をかいて、一緒にプロジェクトを考える
ゴミ拾いがきっかけで、お互いの関係性もぐっと近くなる。
これまで、延べ約720人がゴミ拾いに参加し、そこからイノベーションが起きている。
宮崎ベースキャンプは、2016年2月には、地域の起業家らと夢プレゼンテーションを開催。300人近い人が集結して、宮崎県で起業する気運を高めた。
今後、地域の経営者とゴミ拾いに参加する高校生や想いを持った人が、稼げる地域について一緒に考える「宮崎ローカルベンチャーサミット」を開始する。
ゴミ拾いを通じて、人と人をつなげ、地域の経済を動かす宮崎ベースキャンプは、飛び出す公務員アウォード2016年の台風の目になりそうだ。