「まちづくり」分野で先進的な取り組みが評価されている地域のひとつに、長野県小布施町があります。
全国的にも有名な栗菓子や、昔ながらの景観を活かした町の様子をご存知の方も多いでしょう。
住民主体のまちづくりが形に
小布施町は、住民主体のまちづくりの成功事例ともされ、参考にしたいという視察も全国から訪れています。
小布施の町づくりをリードするお一人が、町長の市村良三(いちむらりょうぞう)さんです。
1980年代から、民間で町並みの修景事業などを進め、小布施の名を全国的にする立役者となり、現在では町長として小布施の行政を担われています。
まちづくりのトップランナーが小布施を深掘り
市村さんの元を、全国で地域づくりのサポートを行うNPO法人まちづくりGIFT代表の齋藤潤一さんが訪ねました。
小布施町の慶應SDM・ソーシャルデザインセンター研究員の大宮透さんも交えて、3人での対談の模様をお伝えします。
小布施町が若者のチャレンジを歓迎する文化になっている理由とは
斎藤: 「稼ぐ地域を作る」というテーマで活動している理由の1つは、持続可能な地域を作るために、地域資源をいかしたビジネスを作っていくことなんじゃないかなと考えているからです。
それは伝統や文化を継承していくために必要だし、地域の誇りなどを次の世代につないでいくために大事だ思っています。
小布施という町は歴史文化というものがあって、その歴史の上に、若者がチャレンジしやすい環境があると感じています。
なぜそのような文化となったと思われますか。
市村: 単純で、そうやってこなければ生きてこられなかったし、これから先も生きていけないからではないかと思いますね。
歴史から学べるかなと思います。小布施はもともと貧しい地域だといえます。
いつも「小布施」って書いて、「必死」って読むんだよぐらいの話です(笑)
そのことを多くのみなさんが知っているという状態になっているのが、強いのかもしれません。
ただそうは言っても、「総合力が足りない」、「人材が足りない」、「お金が足りない」、「知恵が足りない」、「情報が足りない」、って足りないだらけなんです。
それを中の力だけでなんとかしようとすると限界があるので、やっぱり外の人に多くを求めたいということだと思います。