内容は、取材時の内容です
ローカルベンチャーの集積地として知られる岡山県西粟倉村。
各種メディアでこぞって取り上げられるなど、今最注目の地域のひとつです。
そのムーブメントの中心のひとつが、「株式会社西粟倉森の学校」です。
森の学校は、木材を利用した商品開発、木材流通を担う西粟倉の材木屋のような存在です。
地域ビジネスの成長の秘訣とは?
森の学校の代表を務める井上達哉さんの元を、地域プロデューサーとして日本各地の地域での仕事づくりを支援するNPO法人まちづくりGIFT代表理事の齊藤潤一さんが訪ねました。
斎藤さんには、ひとつの狙いがありました。
地域ビジネスのノウハウを共有していこうということ。
ノウハウなんて別に隠すものじゃないですし、共有していけば地域が動いていって面白いと思います
と語ります。
対談の先で見えてきたものは、地域ビジネスの勘違いを明らかにするものでした。
「シリコンバレー流地域づくり」の1つのポイント
齋藤さんが実践する地域づくりの方法は、「シリコンバレー流地域づくり」と評されています。
新聞記事の見出しから話題となったこのノウハウのポイントとはどのようなものなのでしょうか。
齋藤:自分たちのチームは、どこよりも早くたくさん失敗している自身があるんです。やることをすごく大事にしています。
よく言うのは「1勝99敗」ということ。
この言葉をいうと、チームメンバーが生き生き勝手に動き出すんですよね。
「負けていいんだ」という感覚になるからだと思います。そうやって勝手に動き出す中で、事例が多く生まれていっています。
無理だという評価に負けない
井上:ノウハウっていうと、根性しかないって本当に思っています。
スタッフに言っているのは、買ってもらえない前提で頑張って売ってこいということですね。
森の学校が挑戦しているのは、林業の6次産業化。
これは業界でも珍しすぎるようなことで、成功事例もなく、「失敗するぞ」と言われ続けたそうです。
しかし井上さんたちは「成功します」と言いながら、商品開発から販路開拓をやり続けたと言います。
井上:冷静に、日本の林業や国産材が置かれている状況を考えると少し良いデザインのプロダクトを作ったくらいでは売れないと思っています。冷静に状況を見ると、国産材マーケットはほんと厳しいことがよくわかります。それでも、マーケットがないからこそ、「これ面白いでしょ」と言い続けられる人がプレイヤーになれるし、さらに活動を続けている人が、最終的には生き残っていけるのだと思っています。
だからノウハウってなんだろうと思うと、あきらめずに面白がることですね
齋藤:楽しむってとても大事ですよね。ぼくも講演で言い続けてます