宮崎県の北部に、「渡川(どがわ)」と呼ばれる地区があります。
正式な名称は、宮崎県東臼杵郡美郷町南郷上渡川地区。
人口約350人程度の地域です。
宮崎市から自動車で2時間半程度の距離に位置し、深い山々に囲まれ、豊富な水資源に恵まれています。
しかし決して便利な土地柄ではありません。
それにも関わらず現在では、30代の若手Uターン者を中心に、起業や開業、イベントの開催を通じて、「渡川を盛り上げよう」という動きが始まっています。
渡川の未来を考える
そんな方々が中心となり、「渡川の住民で渡川を語ろう」と題して、「渡川みらい会議」が開催されました。
全国で地域ビジネス創出をサポートする、NPO法人まちづくりGIFTの齋藤潤一さんを講師に迎え、渡川の未来を考える会となりました。
20代から80代まで約50名が参加!
「渡川みらい会議」は、渡川に住む20代から80代までの方々が集い、関心の高さを伺わせます。
渡川の現状、そして地域ビジネス創出による渡川の未来への思いが語られた「渡川みらい会議」の様子をレポートします。
「要望ではなく、自分ならどうするか」を考えてほしい
会の司会を務めたのは、長尾拓さんです。
渡川を愛する若手メンバーを中心に結成されている「渡川ONE(ドガワン)」のメンバーであり、宮崎県庁の職員でもあります。
今日は、前向きな会議にしたいと考えています。要望を出すのではなく、「自分ならどうしたいか」を意見交換できる場にできればと思っています
という冒頭の挨拶の通り、今回のみらい会議の狙いのひとつは、「地域ビジネスの創出」と、それを地域全体でサポートしていくという雰囲気作りだといえます。
なぜ、地域ビジネスの創出が求められているのでしょうか。
先人たちがのこしてくれた渡川を未来に残したい
背景には、渡川を取り巻くたくさんの課題が上げられます。
そのひとつが、少子高齢化。
地域の人口増減を推計すると、数十年後には現在の半分になる可能性もあるといいます。
それは、地域が消滅するかもしれないという未来を示唆しているともいえます。
だからこそ、所得向上であったり、Iターン・Uターンを増やしたりする必要があります。
長尾さんは、その思いを語ります。
渡川における所得向上をどうするのか。
それは、地域ビジネスを生み出していくことが必要だと思います。
地域ビジネスを創るとは、「魅力的な仕事を生むこと」だと思います。
では、実際にどのように地域ビジネスを作っていくのでしょうか。