7月7日は七夕。日本での「七夕発祥の地」と呼ばれる大阪府交野市についてまとめてみました。
平安時代に貴族が多く訪れた「大阪府交野 (かたの) 市」
大阪府交野市は大阪府の東北にあり、大阪と京都のほぼ中央に位置しています。
市は枚方市に隣接し、交野市と枚方市の2市は、日本の「七夕のふるさと」として知られており、その証はさかのぼること1000年以上前。
奈良時代に役所が設置された後、平安時代になってからは多くの貴族が狩りを楽しむためにこの地を訪れました。2つの市を流れる「天野川」はかつて「甘野川」と呼ばれていましたが、これを天の川に見立てて数多くの歌が詠まれたことから「天野川」の名前が定着。
七夕を題材として詠われた歌がここに始まっていることから、日本での七夕伝説発祥の地と言われています。
在原業平に詠まれた歌 (伊勢物語, 古今和歌集)
狩り暮らし たなばたつめに宿借らむ 天の河原に我は来にけ り
(狩をしていたら日が暮れてしまった。今夜は織姫様に宿を借りよう。私は天の川 に来たのだから)
まちに散りばめられた数々の「七夕」
天野川にかかる橋の名前は「逢合 (あいあい) 橋」。
この橋は、枚方市にある彦星をまつっていた「中山観音寺跡」と、交野市にある織姫をまつる「機物 (はたもの)神社」の中間点にあり、七夕の夜に二人が出会っていたと伝わります。
また、交野市には織姫と彦星の仲を取り持ったカササギにちなんだ「かささぎ橋」のほか、天の川にかかる橋という意味をもつ「天津橋」といったものまで。
星にまつわるいろいろな伝説
交野市には、「八丁三所の降星の伝説」というものが残されており、これは平安時代の始めに弘法大師が修行をしていた際、空から星が降ってきたというもの。
妙見宮、光林寺、星の森の3箇所に星が落ちてきて、それら3箇所の距離がちょうど八丁 (約900m) だったことから「八丁三所の降星の伝説」と呼ばれています。
また、この伝説をもとにして、星にまつわる名前が市内のあちらこちらに残っており、交野市は「星のまち☆かたの」というキャッチフレーズを用いています。
短冊を天の川に流す交野市の七夕祭り
交野市では、織姫をまつる機物神社で毎年七夕祭りが開催されています。
笹の葉を飾り願いことをする七夕ですが、交野市の七夕祭りではこれらの短冊を天野川に流すというこの地ならではの催しが行われます。
参照元:るるぶ.com 機物神社七夕祭り
参照元:交野市ホームページ, 枚方市プレスリリース