前半に引き続き、小布施の町づくりを深掘りしていきます。
なぜ町への愛や誇りが伝承されているのでしょうか。
ちょっとだけ良い方向に進んでいるのが小布施町
齋藤: 私たちが掲げている「稼ぐ地域を作ろう」というのは、金儲けではなくて、伝統・文化を伝えていくためには持続可能なモデルが必要だよねというのが根底にあります。
小布施町は町への愛とか誇りというのが伝承されているように見えます。
なぜそんな文化ができているのでしょうか。
市川: スタートがマイナスだからではないでしょうか。
小布施町って潤っているように見えて、一方で助成金などで回っている部分も多いです。
当然ですが、小布施町だからって全てがよいわけではないし、他の自治体と同様に課題もあります。
ただしちょっとだけ良い方向に進んでいるというだけかもしれません。
小布施町に根付く「外から来た人を大事にする」文化
市川: 「外から来た人を大事にしろ」という言葉があります。
町長の刷り込みかと思っていたんですが、どうやらこの土地に昔からある考え方らしいんです。
普通に考えると、地方って、どんどん単一文化になって村社会になっていくと思うんです。
だからこそ、地方こそ、新しい血をどんどん入れることが必要だと思うんですが、なかなかそれができないでしょう。
でも小布施は、殿様が外から来たり、文化を持ってきたりという中で、歴史的にそうしたことができる町なのだろうと思いますね。
優秀なリーダーが町を作ってきた
市川: 大きいのは、小布施堂の市村さんなどのリーダーが、小さな町で田舎だからこそ、いろいろな多様性を求めて行ったことだと思います。
考えがあって、町を作ってきた。
リーダーたちが、地域に正しい方向性を位置づけてくれたのだと思っています。