移住希望者ランキングが、変動中。
地方への移住を希望・検討する層が、ここ数年で変化しています。以前は、中高年世代が多かったのに対し、20代・30代の若者の移住希望者が増えています。これは、私も周囲を見て実感しています。
その影響を受けて、移住希望者の都道府県ランキングにも変化が生まれています。
秋田が移住希望地ランキング8位
抱返り渓谷(秋田県仙北市)
その背景には、地方暮らしに対する若者の考え方や自分の人生の捉え方の変化があると、NPO法人ふるさと回帰支援センターの嵩副事務局長は伝えています。
今、自分の人生をよく考え、地方暮らしをポジティブに志向する若者が増えた。東京に出ていい大学に行き、一流企業に就職して一生裕福な生活を送るという成功モデルが崩れ、若い人の価値観が変わってきたのでしょう。首都圏の優秀な若い人ほど、地方の方が可能性があるし、より良い環境の中でより自己実現ができると気付いたのです。
□出典:ダイヤモンド・オンライン
その結果、2012年まではトップ10圏外にいた、島根県・広島県・秋田県などが、2015年にランキング入りしています。私の故郷・秋田県も8位に入りました。
秋田への移住は「起業」がキーワード
私は秋田への移住促進を考える上で「起業」が1つのキーワードになると考えています。
それを事業化し、秋田県として推し進めているのが「ドチャベン(土着ベンチャー)」になります。秋田県外に住む人を対象として、秋田へ移住し起業することを条件に、その活動を支援するという試みです。
秋田は、人口減少・少子化・高齢化・地域産業の衰退など日本の地方が抱える社会課題の先駆地の1つです。
地域に存在する社会課題を解決し、ヒト・モノ・カネが循環するというイノベーションをビジネスによって実現する起業家や地域リーダーが生まれて成長すれば、秋田は大きく変わっていきます。そして、魅力的なリーダーが生まれれば、共に働きたい右腕人材や支援者も集まってくるはずです。
今、秋田県内では、行政・金融機関・大学・支援団体・民間企業などが力を合わせ、外から起業家を呼び込む「起業家誘致」という施策を実現しようとしています。
まずはUターンにフォーカスして周囲を巻き込む
今回のNPO法人ふるさと回帰支援センターが行った調査によれと、秋田県の場合、Uターン希望者が圧倒的に多いそうです。そもそも、秋田県を訪れたことがある県外出身者が少ないのですから、当然の結果と言えます。
そうであれば、まずは「Uターン」にフォーカスすべきでしょう。
以前からあったような、親や家庭の事情で止むを得ず帰ってくることを否定するわけではないですが、どうせならネガティブな考えではなく、秋田県人自身がUターンをもっとポジティブに捉えるべきです。
起業家や地域リーダーあるいはその右腕人材として秋田へ戻ってくることが、自分の人生をより幸福で豊かにし、さらには、大切な故郷をもっと元気にすることに繋がるという捉え方はどうでしょう。
そのように秋田へUターンする人が増えれば、周囲にいる都市部の人たちを巻き込める可能性もあるでしょう。「自慢の故郷・秋田へ、みんなで遊びに来てよ!」まずは、そこからだと思います。
子育て・教育で圧倒的地位を築く
更に言えば、起業家誘致と並行して、子育て・教育分野に力を入れ、最低でも日本国内における圧倒的な地位を築くべきだと考えています。
今なら、小中の学力日本一という実績、豊かな自然環境、国際教養大学を筆頭にした高等教育の受け皿などを根拠に、教育分野におけるトップは目指せるはずです。
これに加えて、圧倒的な子育て支援の日本一を目指した施策を講じれば、住みたい人も増えると考えています。
秋田県民自身が、もっともっと故郷の未来を考え、地域の魅力を伝えていけば、消滅すると言われている未来を変えられるはずです。少なくとも私はそう信じて、行動と改善を続けていきます。