「バリューブックス」という会社をご存知ですか。
大手インターネット古書店で古本を購入されたことがある方は、一度は見たことがあるし、もしかすると一度は購入したことがあるかもしれません。
バリューブックスは、店舗を持たない古本屋で、長野県上田市に拠点を構えています。
取り扱い数は、日本最大級というから驚きです。
そんな日本有数の無店舗古書店が、実店舗「BOOKS & CAFE NABO」を上田市にオープンしたのが2015年1月。
著名人のファンもいるというお店づくりについて、NABO店長の池上幸恵さんにお話を聞きました。
本で街を豊かにするためのお店
店内には古書が並び、読書用の椅子も設置されている。カフェスペースも併設し、取材中もサラリーマンの方がくつろぐ姿が見られた。
—なぜバリューブックスが実店舗を出されたのですか
実は、バリューブックスは社会貢献に積極的な会社なんです。
チャリボンというNPOやNGOの寄付集めをお手伝いする事業をやっていたり、古書をキーワードにいろいろなことをやっています。
その中で、自分たちが拠点を構える街に貢献したいということで始めたのが、NABOです。
—テーマなどはあるのですか?
だんだんと見え始めているというのが正直なところなのですが、「本で街を豊かにする」ということを考えています。
NABOでは毎日、人が何かしらのイベントを行っています。
豊かさというのは人それぞれ違うと思うのですが、イベントを通じて、人と出会うこと、本と出会うこと、それぞれの人の豊かさに対して、アプローチできればと思っています。
そうすることで、街の人に豊かな時間が流れれば良いなと思っています。
上田出身の会社が上田で知られるために
—バリューブックスは地元の会社だということは知られているのですか?
徐々に広がってきていますね。
創業者が上田の生まれですし、社員の多くも近隣に住んでいます。
NABOができて、これまでなかなか露出することがなかったおしゃれな雑誌等に取り上げていただくことで、古書店としての認知も高まり、買い取りの問い合わせなども増えてきています。
NABOは広告塔の役割を果たしていて、売上よりも、ここを通じてどれだけ人を繋げて、人に知られたかということが大事だと考えています。
開かれた本屋が街をつなぐ
—ここからどのようなお店づくりをしていきたいですか?
オープンして1年は、私の感覚というか、私がどうデザインするかというのをやってきました。
ただそれだけだとつまらないというのが見えてきた1年でもありました。
だから、スタッフひとりひとり、お客さんひとりひとり、それぞれが考えていることを持ち寄ってこれるようにしたいですね。
いろいろな人の思いをお店で混ぜあわせていくことができればと思います。
私自身も、こんな本屋がある街に住みたいなと思っています。
開かれた本屋として、誰でもここでは主役になれるという場所を作りたいですね。
そういう場所が街にあれば、その街に住む理由になると思います。
アクセス
BOOKS & CAFE NABO
長野県上田市中央2-14-31