スーパーに行けばいつでもカタチの整った野菜が揃っていることに疑問を抱いたことはありますか。
野菜の「規格」が統一されていることで実現されています。
規格があるということは、必然的に「規格外」が生まれるということ。
規格外の野菜がどうなっているかをご存知ですか。
40キロの廃棄ニンジンを救うためにできること
岐阜県内きってのニンジンの産地として知られるのが各務原市です。
全国でも珍しい二期作を行っており、「春夏ニンジン」と「冬ニンジン」が出荷されています。
出荷される際には、全てが出荷されるわけではなく、形が悪かったり、股になっていたり、割れているものは規格外として廃棄されます。
その量は、全体の収穫量の4分の1となる30トン〜40トンにもなります。
「味」ではなく、「規格に合わない」という理由だけで廃棄されるニンジンを救おうと、各務原市でニンジン農家を営む林亮輔さんが立ち上がりました。
「ジェットニンジンプロジェクト」が始動
規格外のニンジンの一部は加工品に回されますが、その大部分はせっかく立派なニンジンとして育っているにも関わらず廃棄処分となってしまいます。
そこで規格外のニンジンを活用し各務原市の特産品を作ることで、廃棄ニンジンを救おうというのが今回のプロジェクトです。
既に試作品は完成しており、郷土料理であり、人参が入った炊き込みご飯として知られる「金魚めしの素」や「ミートソース」や「ドレッシング」です。
このプロジェクトは、「日の目を見ない規格外の人参たちに広く飛び立っていってほしい」という思いを込めて、ジェットニンジンプロジェクトと名付けられました。
スーパーではできない「農家支援」のかたち
各務原市のニンジンは、危機を迎えています。
全盛期に比べ、作付面積は約半分に減少し、農業の後継者も減り、担い手の高齢化にも伴い、存続の危機を迎えているのです。
今回のプロジェクトを通して、「真面目にニンジン生産をしてきたノウハウと恵まれた土地を守り、さらに発展させ、この素晴らしいニンジンを世界に広めていきたい」と林さんはいいます。
今回のプロジェクト費用は、クラウドファンディングで集められています。
5000円を支援すると規格外のニンジンが贈られるため、「ニンジンを買ってニンジンを救うことができる」ともいえるでしょう。
クラウドファンディングという生産者を直接支援できるサービスを活用しているからこそできる、支援のかたちです。
ジェットニンジンプロジェクトを通して、ニンジン加工の新しい産業が生まれ、各務原市のニンジン産業が盛り上がっていくことが期待されます。