石川県金沢市が、「ユネスコ・クラフト創造都市」に認定されていることをご存知でしょうか。
ユネスコ創造都市に認定されているのは、54カ国にまたがる116都市です。
それらは、「ユネスコ創造都市ネットワーク」という名称で呼ばれ、金沢市は、世界で初めて「クラフト」の分野で認定された都市として知られています。
文化芸術の視点からまちづくりをおこなっている事例としても注目できるといえます。
ユネスコ創造都市ネットワークとは?
「ユネスコ創造都市ネットワーク」は、その名の通り、ユネスコが実施しているプロジェクトの1つとなっています。
ユネスコとは、「国際連合教育科学文化機関」と訳されるように、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関(出典: mext.go.jp)です。
創造都市とは、「独自の文化を持ち、それらを産業と結びつけ、新しい価値を創造してまちを元気にしている都市」と定義されています。
ユネスコ創造都市ネットワークは、「文学・映画・音楽・工芸・デザイン・メディアアート・食文化の創造産業7分野から、世界でも特色ある都市を認定するもの」となっており、「文化の多様性を保持するとともに、世界各地の文化産業が潜在的に有している可能性を都市間の戦略的連携により最大限に発揮させるための枠組みとして2004年から取り組まれています。(出典: bunka.go.jp)
認定された都市同士で交流をはかるなどの取り組みが行われています。
金沢市が認定されている「ユネスコ・クラフト創造都市」とは?
金沢市が認定されているのは、工芸=クラフト分野です。
金沢市では、クラフトの解釈を工芸に限らず、製造業からコンテンツ産業まで、金沢独特の職人気質から生まれるものづくりを総称し、「手仕事」という言葉で表しています。
金沢の工芸が世界に認められたとも言える創造都市認定は、金沢の「手仕事」の未来に対しての希望ともなっています。
認定をきっかけに、まちづくりにも挑戦が広がっています。
創造都市・金沢が目指す将来像とが?
金沢市は目指す将来像として、文化のビジネス化、人材の育成、世界への発信というそれぞれの観点から3つの将来像を掲げています。
1. 文化とビジネスをつなぐまち
2. 創造の担い手を育てるまち
3. 世界を引きつけるまち
というものです。(出典: city.kanazawa.lg.jp)
それぞれ、伝統工芸の技術を活かし世界市場への展開に続けていくこと。
後継者育成、文化芸術活動を盛り上げる人々が集い、市民全体の意識の向上を目指すこと、世界目線での課題への取り組みを行っていくことが目指されています。
日本の文化芸術の活動をリードしていくまちづくりが行われている金沢市の取り組みに注目してみてください。