スマートフォン向けのアドベンチャーゲームアプリ「魔法使いの小さなアトリエ~ティアとセリエの錬金術~」の配信が始まっています。
この作品は、高知県コンテンツビジネス起業研究会発事業化プラン認定事業として開発されたものだということをご存知ですか。
高知県は、県庁の中に「まんが・コンテンツ課」というユニークな課があることでも知られています。
高知県の狙いとは何なのでしょうか。
「高知県コンテンツビジネス起業研究会」の目的とは?
高知県の経済活性化に向けて、県内で新たな事業を創出する目的で、企業、団体、専門家等で構成される研究会が「高知県コンテンツビジネス起業研究会」です。
勉強会や情報交換会に参加でき、スマートフォンアプリや映像など各専門分野のプロフェッショナルによる事業へのアドバイスなどがもらえることを目玉としています。
県が主催することもあり、人材育成にかかる費用の助成制度や、県外で開催される見本市への出展料の一部助成も行われます。
会員として、映像(アニメ)、音楽、ゲーム、電子書籍、アプリケーション、イラスト製作などを行う企業、団体、個人が参加。
分野を超えた「コンテンツ・ビジネス」の情報交換と相互刺激の場となっており、実際にソーシャルゲームなどが生まれています。
高知県がコンテンツ産業に取り組む背景とは?
高知県が「まんが・コンテンツ課」を設置したのは、平成22年のこと。
高知県の経済活性化のトータルプランとして「高知県産業振興計画」が策定され、新たな分野への挑戦としてコンテンツ産業の振興を掲げたことがきっかけです。
高知県は「まんが王国」と称されるほどにマンガコンテンツが豊富。
その豊富なコネクションを活かさない手はないとして、より広義にコンテンツ産業に取り組むようになったというわけです。
中でも、ソーシャルゲームは、シナリオや絵がマンガに通じる部分があるということで、ゲーム企画やイラストを募集するコンテストを積極的に推進しています。
コンテンツ産業全体での市場規模は11兆2,401億円(総務省調査)となっており、スマートフォンなどで楽しめるオンラインベースのゲームの市場規模は7,154億円(ファミ通ゲーム白書2015)となっています。
この大きな市場に高知県は挑戦しています。
実際に、会員を15万人以上を獲得するゲームも生まれています。
雇用の拡大に繋がることを期待
この取り組みは、人材流出を食い止めるという面からも注目されます。
県内で「マンガ」やイラストを学んでいる学生が、就職するところがないという理由で県外に流出している現状があるため、高知県内でコンテンツ産業が発展することで、受け皿となる企業の創出と、地元への人材定着を目指します。
コンテンツ産業というスピードが早い業界ですが、行政と民間が連携し、高知県の経済活性化に寄与することが期待されています。