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「ブランディングって何だろう?」まちづくりのヒントを山形県朝日町に学ぶ

「ブランディングって何だろう?」まちづくりのヒントを山形県朝日町に学ぶ

    CATEGORY: AREA:山形県

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様々な分野で用いられる「ブランディング」という言葉。

まちづくりでも、例外ではありません。

その中でも注目されている事例に、「街全体のブランド化」を掲げて、ブランディングに取り組む町の山形県朝日町があります。

そんな山形県朝日町を、宮城県涌谷町で開催されている「涌谷まち・ひとデザインラボ」のメンバーが視察しました。

リンゴとワインの町が挑む、トータルブランディング

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山形県朝日町といえば、リンゴとワインの町として知られています。

リンゴは町が単独でアジア圏に販路を広げていたり、ワインは日本ワインコンクールで2年連続の金賞を受賞するなど、その品質が好評化されています。

そんな朝日町は「日本一カッコいい田舎町」を掲げ、町を上げてブランディングに取り組んでいます。

民間だけとか行政だけが行っているというわけではなく、町が一丸となって取り組んでいるところに特徴があります。

ブランド力とは「引力」

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市町村のブランド力が弱い状態とは、「いつもバタバタして、外に全てを追い求めている状態」だと、朝日町の政策推進課の渡邉さん、佐久間さんは言います。

外に求めるから、ニュースを取り上げてくださいとか、これはどうでしょうという風に働きかける必要が出てきてします。

では逆に、ブランド力がある状態とは何かというと、「必要なものが勝手に集まってくる状態で、とても効率的」だといいます。

つまり引き付ける力がある状態が、ブランディングができている状態であるということです。

そして朝日町が取り組む「ブランド戦略」とは、「外向きになっている矢印を一本ずつ内向けに変えること」だと定義されています。

メディアへの露出が増え、町の様子が変わる

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朝日町は、「町全体をブランディングする」という方針が、他の市町村と一線を画します。

ありがちな「特産品を開発して、それをプロモーションする」のではなく、朝日町そのもののイメージアップ、ブランディングが目的となっているからです。

町のブランディングを実現するために、スピーディーな動きが展開されたことも注目です。

1. 朝日町ブランド化推進プロデューサーとして、ブランディングの専門家である村尾隆介氏を招聘

2. 町民全員で学ぶを定例化したあさひまちブランド大学の創設

3. デザインの統一とマルチユースを掲げ、徹底してかっこ良くする

朝日町での開催にも関わらずブランド大学には、毎回町内外から100名以上が詰めかける事態となっていたり、メディアへの登場回数も年に120回以上と激増したことで、町民の自信と笑顔につながっていると言います。

ゴールは、見学者が絶えない町

「日本一カッコいい田舎町」を掲げる朝日町のゴールはどこにあるのでしょうか。

それは「見学者が絶えない町になったら成功だと考えています」と佐久間さんは語ります。

言うまでもなく、ブランド化するということも、経済効果に結びつかないと意味をなしません。

今後も、様々な取り組みを通じて「町全体のブランディング」を行っていく朝日町に注目です。