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地方から世界へ勝負する、高付加価値企業
日本の地方には、圧倒的な高付加価値商品を提供し、世界の顧客へ商品を展開している企業がいくつかある。
山形県にある「メガネのスズキ」もその1つだ。
第二創業、高級スピーカーを山形から世界へ売る
□画面キャプチャ:GIPラボラトリー
山形県上山市に本社を置く「メガネのスズキ」は、「GIPラボラトリー」というブランド名で高級スピーカーを製造販売し、世界中にファンを持つ企業だ。
メガネのスズキは、元々は名前の通りメガネ・宝石販売が主力事業であった。
2002年、家業のメガネ店を継いだ鈴木伸一社長が、高級スピーカーメーカーに業態転換した。
当時世界最高峰で復元が不可能とされた米ウエスタン・エレクトリック社のスピーカー・ユニットの完全復刻に着手、約5年をかけて開発に成功したのである。
□出典:ジェトロ
それをベースに現在は、オリジナルのスピーカー・ユニットおよびスピーカー・システムも製造・販売している。
第二創業の背景
このような第二創業を実現できた背景として、後継者である鈴木社長の経歴が挙げられる。
鈴木社長は、音楽大学出身の元指揮者で、クラシック音楽の解説や演奏評論の経験もあった。音楽に対するノウハウと高い熱意が、世界トップクラスの商品開発に大きく寄与している。
ドイツ・ミュンヘンの国際オーディオショーでベストサウンド賞を受賞するなどマニアの注目を集め、顧客の9割が海外という。
□出典:日本経済新聞
従業員5名の少数精鋭で、地方から世界に対してオリジナルブランドを展開している。
世界の富裕層向けに試聴ルームを設置
同社のスピーカーは、最高3000万円以上。これは、世界でも最高クラスの価格。
今回、顧客のニーズを受け、2000万円以上する高級オーディオセットなどが試聴ができる場所を設置した。
世界の富裕層向けに展開する同社の存在は、地域へのインバウンド誘客に繋がる可能性がある。
企業が高付加価値商品を展開し、世界中にファンをつくる。ファンが、企業を見るため・職人に会うために、その地域を訪れる。そして、地域のファンが生まれ、企業と地域と世界中の人々が繋がる。
そのような好循環が生まれる可能性を持つ、同社のような地方企業の取り組みを応援したい。