読者の皆さんは、「ちんちん電車」をご存じですか。
約200年前にドイツで発明された、路面電車のことです。
現在運行されているちんちん電車は、日本で18路線あります。
その最古の路線は、なんと、いち地方都市の高知に存在しているんです!
開通は1904年で、今年で111年目。
東京大阪での運転開始直後に高知県に導入されたというから、当時の高知県民のハイカラぶりに驚きますね。
数年前まで、地元民にとっては、「電車」といえばちんちん電車でした。
高知県では、ちんちん電車以外にもJR鉄道が走っていますが、実は多くの人はJRのことは「汽車」と呼んでいます。
県外人(特に都会の人)に驚かれる、高知県民特有の呼称です。
高知のちんちん電車、歴史があるだけじゃないんです。
ちんちん電車は、JR高知駅と同じ場所に発着駅があります。
高知駅を中心点に、高知市を縦横に十字の形に伸びた路線は、なんと全長25.3キロ。
日本最短の路線が中国地方の4.5キロというから、最盛期は高知県の交通の要だったことがわかります。
実際、JRよりも市街地に近い所を走るため、ちょっとした移動には便利です。
「ごめん」といいながら走ります
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ひそかな観光名所になっているのが、ちんちん電車の西の終着駅である「後免駅(ごめんえき)」。
電車の電光掲示板には、デカデカと「ごめん」の文字が表示され、写真撮影会もしばしば。
関連グッズも販売され、街おこしに一役買っています。
車両は全部で60両余りあり、その多くが50年を超える年代物。
大物アーティストの写真集でも撮影に使われたこともあり、ノスタルジックな昔懐かしい風景を体験することができます。
時に、自転車にも追い越されるゆったりペースのちんちん電車で、街中を観光してみるのはいかがでしょうか。