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6人にひとりがお参り!? 江戸時代にあった伊勢参りブームの裏側がすごい -三重県伊勢神宮-

6人にひとりがお参り!? 江戸時代にあった伊勢参りブームの裏側がすごい -三重県伊勢神宮-

    CATEGORY: AREA:三重県

戦もなくなり、平和に暮らす時代となった江戸時代、庶民の間には旅ブームが起こったと言われています。その中でも特に有名なのがお伊勢参りブーム。その裏側についてまとめてみました。

Ando_hirosige_miyakawanowatasi 画像:歌川広重「伊勢参宮・宮川の渡し」

きっかけは復興!? 伊勢神宮お参りブームのきっかけ

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戦国の時代を経て、伊勢神宮は20年に一度行われる式年遷宮を行えないほど衰退。そこで、全国各地を廻り神宮の認知度を高めると同時に募金を募るなどの活動を行いました。

その結果、伊勢信仰が全国へと広まることに。街道の整備なども相まって伊勢神宮旅ブームへとつながりました。

各地を巡った御師(おんし)って?
全国各地を廻ったのは御師と呼ばれる伊勢神宮に属する神職の人たちでした。御師は普段、参拝客の案内や宿泊の手配までをうけおっており、寺社の近くには御師たちの御師街があったそうです。北は北海道から南は鹿児島まで各地を廻ったとか!

ピーク時には6人にひとりがお参り

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初めの頃は代表者がグループの代表としてお参りすることが一般的だったそうですが、後に全国各地から子供からお年寄りまで個人個人が足を運ぶことになります。ピーク時には実に6人にひとりがお参りするほどのブームとなったそうです。

仕事を休んでも誰も文句は言えない!?抜け参り
ある日突然無断で伊勢へお参りにいったとしても不問とされたそう。これだけを見てもどれだけお伊勢参りが大切にされていたかが分かります。

約60年に1度! 数百万人規模のお参り
1705年には約350万人(当時の日本の人口は約2800万人)、1771年には約200万人(当時の日本の人口は約3110万人)、1830年には約428万人(当時の日本人の人口は約3220万人)が参ったと言われています。

平成26年は“おかげ年”

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なぜ60年に1度大規模なお参りがあったのか、その理由ははっきりとしていませんが1771年以降、“おかげ参り”という言葉が生まれ、60年を周期として“おかげ年”と呼ばれる年ができました。2014年はおかげ年。例年以上にご利益があるそうです!

大金をもたずとも、伊勢参りの道中では道筋の家々が食べ物や滞在先を提供していたそうで、お金が少なくても旅を続けることができるのは神のおかげとしたのが“おかげ参り”の起源と言われています。