戦国の武将たちは戦のあと、疲れをとり傷を癒す為、「隠し湯」と呼ばれる温泉を活用していました。今でも各地に残る武将ゆかりの温泉をまとめてみました。
歴史ある温泉で傷を癒した伊達政宗
秋保温泉(あきうおんせん) 宮城県仙台市
古墳時代からあったと言われる古い温泉地で、天皇から賜った日本に3つしかない称号「御湯(みゆ)」をもつ温泉のひとつです。古くから全国的に温泉地として知られており、伊達藩主の為の殿湯がつくられました。
平安時代から温泉の管理役を任されていた「佐藤家」が江戸時代初期に始めた旅館が今も代々受け継がれています。
お風呂好き!? 3つの「隠し湯」上杉謙信
貝掛温泉(かいかけおんせん)新潟県湯沢町
鎌倉時代から700年の歴史ある温泉。上杉謙信が関東攻略の際に、軍の英気を養い傷を癒すため湯につからせたそうです。江戸時代からは「目の温泉」として有名となり、昭和初期まで“貝掛の目薬”も売られていたとか!
関温泉(せきおんせん) 新潟県妙高市
弘法大師が開いたとされる温泉で湯の色は赤。温泉地を大相撲の番付で表した江戸時代の「温泉番付」にも登場しています。ちなみに関温泉は前頭。当時最高位の大関は西が有馬温泉、東が草津温泉です。
生地温泉(いくじおんせん) 富山県黒部市
僧侶姿に身を隠し、越後から生地まで監察に来た上杉謙信は脚気(かっけ)により道中危篤に。家来が神社に祈願をしにいくと謙信の夢に老人が現れ、「霊水で入浴すれば病気は治る」と言ったそうです。翌朝清水が湧き出しているのを発見した謙信は教えの通り、何ヶ月か入浴しながら滞在し病気を治したと伝えられています。その時謙信が植えたという松があった跡が「上杉謙信手植えの松」として残っています。