有機農場で人生を学ぶ:香港

香港国際空港から車で10分程度のところに有機農場「Tung Chung Green Organic Farm」があります。
香港では就業人口のほとんどがサービス業に特化していて、食料自給率も低水準で推移しています。農業に限れば、その生産高はほとんど無いに等しい水準です。
そのような状況のなか、何故いま農地を、それも有機農法で行う農園が必要だったのでしょうか。


農場は教室だ

昔、香港も昔は農業が盛んで、良質のお米が獲れる産地として有名だったそうです。しかし、隣国等からの大量の安価なお米が輸入されるようになり、農業もだんだん衰退していきました。

こうした状況のなか、農場が、それも有機栽培の農場ができたのは何故でしょうか。その主な目的は、「学ぶ」こと、であったといえるでしょう。

香港は都市化が進み、自然と触れ合うといった場は非常に少ない地域となってきました。

こうしたなかで、もう一度「農」が教えてくれることを見直してみよう、という取組みの中で始まったのが、この「Tung Chung Green Organic Farm」なのです。

農業が多くの「知」が必要と言われています。

・Skill
・Judgemengt
・Crisis Management
・Experience
・Weather Watching
・Patience
・Economics
・Knowledge
・Science

有機栽培をする楽しみから、環境保護・自然環境への意識の向上だけでなく、健康な体と心 、そして、調和のとれたコミュニティの再生へと、農から多くのことを学べることに着目した社会的な取組みでもあるのです。

思い思いに農を楽しむ

学ぶとは言っても、楽しむことがまずは一番。この農園では貸出も行っており、一般の人、そして企業が福利厚生施設として借りている等、とても人気があるそうです。

こちらのご夫婦は最近始められたそうで、これから作物が育っていくのを見るのがとても楽しみだ、とおしゃっていました。

こちらのご夫婦は「健康のため!」と元気に答えて下さいました。

農場の方もイタリアンレタス、ミニトマト、サツマイモ、テーブルビート等いろんな野菜を育てられていました。

農作物を育てることからみながそれぞれ思い思いに楽しんで、思い思いに学びを得ること、それがこの農場のスタンスです。

万国共通の食への高い意識

この農場を運営しているJIM HO(ジム・ホー)さんに、香港の人々の食の意識をうかがいました。

「もちろん安全安心なものを食べたい、という意識は香港の人々の間でも強く、値段が高くてもそういうものを買う傾向は強い」ということでした。やはり、安全安心なものを食べたいという願いはどこも同じようです。

一方、低い自給率については特に改善するような傾向はみられず、良い打開策もほとんど見出せない状況であるそうです。中国から大量の新鮮な野菜が輸入されるので、特に自国で生産する必要性が無いとの人認識をもつ人が多く、農業に携わろうという人はほとんどいないとのことでした。

但し、こうした農園は数ヶ所みられるようになってきたと言います。まずはこうした「農」から学ぼうとする姿勢が確実に、着実に広がりを見せていることが、新たなイノベーションにつながる可能性を秘めているのかも知れません。

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