寄付文化を地域に根付かせよう!札幌市「さぽーとほっと基金」

札幌市で展開されている「さぽーとほっと基金」は市民による、市民のための、市民による寄付システム。このシステムが地域に密着した新しい資金の流れを生みだしています。

地域が支える「さぽーとほっと基金」

さぽーとほっと基金(札幌市市民まちづくり活動促進基金)は、札幌市市民まちづくり活動促進条例に基づき、市民のまちづくり活動を財政のからサポートする制度です。

市民や企業等寄付者からの寄付を札幌市が募り、町内会・ボランティア団体・NPOなどが行うまちづくり活動(市民が営利を目的とせず、市内において町内会、自治会、ボランティア団体、NPO等により自発的に行う福祉や子育て、青少年育成、安心・安全などの公益的な活動)に助成する仕組みです。

全て寄付金で賄う札幌流の基金
他の自治体でもこうした基金を実施しているところもありますが、その半分は補助金を投入しているなどのケースが多いようです。

しかし、札幌市の場合はその全てが寄付金で賄うこととしています。年間目標金額は3,000万円と、かなりハードルが高いようですが、寄付文化の醸成を目指し、企業等へのお願いや気軽に寄付ができる仕組みづくりを目指しいて設立した「さぽーとほっと基金をささえる会」等を活用する等して、平成21年度は46,461,076円もの寄付が集まっています。

地域に根付き始めた寄付文化
さぽーとほっと基金の活動は着実に地域に根付き、寄付文化が醸成されています。

〇椿サロン(札幌市中央区北7条西19-1-2)
寄付つきカフェメニューを販売し、その寄付金が地域の子育て支援活動を応援するために活用しています。カフェとしては顧客を獲得し、収益はUPします。一方、地域団体側にとってみれば、このカフェを利用すれば活動が活発になるので、友達を誘っていくなど、経済活動ともうまくマッチして根付いています。

〇株式会社きのとや(札幌市白石区東札幌3条5丁目1-20)
寄付つきクッキーを販売し、その売上の一部を創業の地のまちづくり活動を応援するために活用しています。企業側はクッキーのPRとなり、商品が売れ、収益はUPします。一方、地域団体側にとってもクッキーを買うことで、地域が良くなるというメリットがあります。

〇北清企業株式会社(札幌市東区北丘珠5条4丁目5番7号)
CO2削減分(1トンにつき1,000円)を寄付し、環境や地域活動を応援するために活用しています。企業側はクリーンな企業イメージのUPにつながり、一方、地域団体側にとっても環境意識が高まるメリットがあります。

〇株式会社特殊衣料(札幌市西区発寒14条14丁目2-40)
100万円以上の寄付があると自社名がついた基金を創設できる「ネーミングライツ基金」を利用した例です。「冬の生活を楽しむ活動」に対する応援として活用されました。企業側は商品や自社PRにつながり、寄付先として選ばれた団体もその活動が実現できるという目り一とが得られます。

簡便な寄付を実現するために
さぽーとほっと基金へ、より簡便な寄付を実現するために発足したのが、「さぽーとほっと基金をささえる会」。会では、同基金のPRはもちろんのこと、さまざまな実証実験を行いながら市民に気軽に寄付してもらえるような仕組みをつくっていくことで、札幌市の寄付文化の醸成につなげていく活動を実践しています。
・効果的かつ継続的な基金のPR
活動各種イベントにあわせたPR活動等
・気軽にできる寄付方法の実証実験
札幌市主催の地域イベント等にあわせ、募金箱を設置
郵便振替用紙等による募金の直接納付
寄付つき自動販売機の設置
地域伝承文化の支援(丘珠獅子舞保存会、新琴似歌舞伎伝承会、篠路歌舞伎保存会)
・新しい手法の検討
寄付金付き商品の開発(大規模音楽イベント”ライジング・サン・ロックフェスティバル”での寄付つきグッズの販売等)
・寄付文化の醸成
子どもたちへのオリジナル募金箱の作成を通して、まちづくり活動について知るきっかけ作り

想いを実現する寄付制度
さぽーとほっと基金では、全て寄付金で賄うことが前提となっていることから、団体や分野の指定ができ、使途を明確にすることが可能となっています。
それは、寄付をする側にとっては、その持っている想いを実現することにつながる特徴ある寄付制度といえます
先に見た例のように、寄付が陥りがちな一方的であったり一時的であったりといった問題点を解消し、継続的な展開を図り、寄付する側にもメリットをもたらす、地域に密着した新しい形の寄付制度といえるのではないでしょうか。

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