毎月7000棟の木造建築が解体。資源を活かす古材ビジネス隆盛

オカダタクヤ


ローカルジャーナリスト

家を建てるときや、古い家屋をリノベーションするとき、DIYで棚をつくるときなどに、「古材」を活用したいという人が増えているようです。

古材とは、築50年以上の民家から取り出された木材(一般社団法人古民家再生協会東京の定義による)です。戦前の日本では、その土地で採れた良質な木材が建築に使われてきたという歴史があり、現在のような安価な外国産や、加工された木材とは似て非なるものだとされています。

古材はその独特の風合いの魅力に加えて、長い時間をかけて自然乾燥をしているので強度が増しており、長く使えることも魅力となっています。

メリットが多い古材の活用

近年、日本でも古材の活用が話題になっています。例えば、東京・蔵前にオープンしたNui. HOSTEL & BAR LOUNGE。古材を有効活用し、Nui独特の多層的な時間が流れた空間づくりが行われており、外国人観光客にも人気のホテルです。

古材を活用したインテリアづくりなども行われており、新規の素材で出せない魅力を求めて、古材を探す作家さんも多いのだといいます。

このような古材の活用の1拠点となっているのが、2016年にスタートしたリビルディングセンタージャパンです。信州諏訪に拠点を構え、木造建築の解体現場から古材をレスキュー=回収し、中古の部材として販売しています。

ポートランドが発祥

リビルディングセンターは、アメリカ・オレゴン州にあるポートランドが発祥の地となっています。建築建材のリサイクルショップとしてReBuilding Centerがあり、繁華街の中の店舗で、建材はもちろん、戸棚の棚やインテリアまで取り扱うお店となっています。

このお店から、正式に名称等をのれん分けされて、リビルディングセンタージャパンは運営されています。

茨城県県北でも始まる古材活用

現在ではさらに、リビルディングセンタージャパンをモデルにした古材活用も始まっています。それが茨城県北を舞台に活動している「時由地材(じゆうじざい)」というチームです。

「古材ビジネスを通じて、地域に人が集えるコミュニティを創る」と掲げ、茨城県下で回収可能な地域から古材を集め、販売しています。

古材は、インテリアや木工等の作家に向けての販売はもちろん、店舗などの調度品や個人に向けての販売も行なうとしています。

また古材活用のワークショップ等も開催し、古材を通じたコミュニティ形成と、古材の価値向上を進めています。

古い木造建築がなくなっている国

実は日本の古い木造建築はどんどんその姿を消しています。2016年の1年間で、全国で撤去された木造建築は8万5,398棟にのぼり、毎月約7,100棟以上が解体されていることになります(2016年の「建築物滅失統計調査(国土交通省)」)。

またこのような解体に伴う建設発生木材の年間排出量は、138万5,369トンとなっていることからも、その規模がいかに大きいかがわかるはずです(2012年の「建設副産物実態調査(国土交通省)」)。

ちなみに、リビルディングセンタージャパンが回収している古材の量は年間で約60トンとなっており、いかに排出量が大きいかがわかります。

古材や小道具が、その価値を見出されずどんどん破棄されているというのが、日本の現状です。

古材が流通する文化づくり

古材を積極的に利用することは、環境面でもメリットがあります。廃棄物の減少、CO2削減、廃棄コストや再利用へのエネルギー節約です。

そして何より古材は、それぞれの地域の環境のもと、長い年月をかけて、独特の風合いをもっています。これは、古材風加工した新材等では、絶対に出せない魅力です。

経年変化という、普遍的な価値を再利用し、これまでの100年から、次の100年につなぐこと。それは、日本の文化を守り続けることになる上に、人の思いを伝え続けることになるでしょう。

地方での古民家の利活用や、移住者のリノベーション等、今後も古材が見直され、その魅力を伝える場は増え続けるはずです。その際に、どのようにすればビジネスとしても、持続可能な仕組みが作れるかということが重要となっているといえるでしょう。

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