全国に2か所だけ、フィルムのみ上映する秋田の映画館
フィルム映画が、人々を魅了する。
子どもの頃に映画館で見ていた映像と今見る映像はだいぶ違うように感じます。私が子どもの頃はまだ、赤と青のメガネをかけて擬似的な3Dを感じていました。
今は、ほとんがデジタル・高画質・高音質を売りにしています。
全国にある2店舗を除いて。
フィルムのみ上映する秋田の映画館
秋田県の駅前にあるファッション系商業ビル「秋田フォーラス」にそれはあります。
35ミリフィルムだけを上映する映画館がJR秋田駅前にある。フォーラス8階の「週末名画座シネマパレ」だ。映写機器のデジタル化が進む中、フィルムのみの上映館は全国でも他に岐阜市にしかない。
□出典:河北新報オンラインニュース
こちらの映画館の支配人の川口さんは、どんなに映画館を取り巻く状況が厳しくとも、最後の最後までこのポリシーを変えるつもりはないそうです。
『時代遅れの映画館』を目指す
シネマパレにも、時代の流れとともにデジタル化の提案があったと言います。
しかし、川口さんは今から投資しても採算が合わないと判断されました。恐らく、秋田県の人口減少や秋田駅前の賑わいの少なさからそう判断されたのでしょう。同じ秋田県人として、そう思います。
その時、川口さんはフィルムだけで勝負し、あえて『時代遅れの映画館』を目指します。
その背景には、「フィルム映画が持つ、味わいや柔らかさを大切にしたい。」という川口さんの想いもあります。
地域の人々を繋げる映画館
その想いは、地域の人々にも届いています。
経営的に厳しい現状はあるものの、常連客も確実にいます。そして、その常連客さんの中で年齢の壁を超えて、映画の感想を中心としてコミュニティの場ができていると言います。
1985年からオープンして、シネマパレは31周年を迎えています。映画をきっかけに、その場所で多くの地域の人々が繋がっているのですね。
『時代遅れの映画館』は、地域にとってとても大切な場所に思えます。