水と共生したまち滋賀県高島市(針江生水の郷)

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以前夏に行った、滋賀県高島市のレポートです。
滋賀県高島市は、琵琶湖の北西部、三方を山に囲まれ、一方は琵琶湖に面しています。

このまちでは自動販売機はいりません。

山に降った水は、大きな安曇川を下り、豊かな伏流水となって、まちの至るところで湧き出ています。
コップを持っていたら、のどが乾いたらそこらから湧いている湧水を飲めばいいのです。

この湧き水と共にある暮らしを、現代まで続けている「針江」という集落があります。

まちの中央に流れる針江大川は、澄んだ水と、梅花藻がとてもキレイです。

まちの子どもが発泡スチロールを浮かべて、川下りをして遊んでいます。
とても贅沢な遊びです。
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まちには、大小さまざまな水路が走っています。

家々は、地下10~25mほど地下から自噴した湧き出た水をそれぞれの家まで引き込み、川端(カバタ)として利用しています。
これは外川端と呼ばれるもので、主屋とは別棟のものです。
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ここで野菜を洗ったり、果物を冷やしたり、食べ終わったあとの食器を洗ったりします。
水温は1年を通して12~14℃で一定しているため、夏は冷たく、冬は暖かい生水となり、水仕事をするのに理想的です。

湧き出た水は、川端にある壷池に注がれます。
その外側にある「端池」には、鯉が飼われていて、食べ物の残りなどをキレイに掃除してくれます。

そしてキレイになった水は水路を伝って、隣のおうちへと流れていきます。

この集落では、水路の水と共に生きてきており、みんなでこの水を守っています。
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針江には、107カ所もの川端があり、自然と共に暮らす日常が残されています。

川端は個人個人の台所であり、観光資源ではないので、勝手に見学することはできません。
針江での暮らしはNHKスペシャル「映像詩 里山 ~命めぐる水辺~」で放送されました。
放送の様子はこちらで少しだけご覧いただけます。

統一されたまちなみは、水路だけではありません。

家々は黒く焼かれた焼板の外壁で統一されています。
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板の貼り方にも特徴があり、縦張りは住居、横張りは工場だったということです。

実は、ここ高島市は、綿織物の全国シェア80%を誇り、ガチャンと織れば1万円儲かると言われた戦後の「ガチャマン景気」にはそこら中で織物が行われていたそうです。
建物内には織機の後が残っています。
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観光地化する道を選ばなかった針江。
この決断のおかげで、生活の一部になったこの風景が残され、100年後も今と変わらぬ風景が見られるのではないでしょうか。

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