9月30日(月)19:30~21:30、リトルトーキョー (東京都江東区三好1-7-14)にて茨城県北ローカルベンチャーラボ会議を開催。参加者は30名程度集まりました。
茨城県北ローカルベンチャーラボ会議は、茨城県の日立市と大子町の2市町村で活動する地域おこし協力隊を募集するイベントで、移住検討されている東京の在住者を対象に開催しました。
イベント冒頭に、茨城県県北振興局の飯村さんより事業の概要説明。茨城県は今回の移住促進事業を通して、人口減少や少子高齢化、若者の流出など地域課題をビジネスの力で解決したいと考えております。
日立市からは、日立市役所シティープロモーション課の大窪さんより説明があり、日立市は日立製作所が有名だが、実は観光資源に溢れている。これを活用して日立市の地域資源を活用したいと呼びかけました。
大子町からは、大子町役場まちおこし課の吉成さんより説明。大子町は水やお米、りんご、奥久慈茶、奥久慈しゃもなど食材の資源もある中で袋田の滝など年間50万人訪れる観光地もある。しかしながら、駅前商店街まで観光客が訪れないなど観光資源を活用したまちおこしを行いたいと呼びかけました。
トークセッションは2部構成
前半は、地域おこし協力隊卒業後に起業した株式会えぽっく代表取締役の若松佑樹さん。インターンシップ事業などを行っており、県内の多くの事業者や企業と関係性を構築しています。協力隊から起業までの道のりについてお話をいただきました。
若松 佑樹(わかまつ ゆうき)
株式会社えぽっく代表取締役社長。1985年日立市生まれ。東京大学大学院修士課程修了。都内の上場前のネット広告代理店に入社し、海外プロジェクトの立ち上げや新規事業開発に従事する。その後、食と農のシンクタンク会社に転職し、特産品のコンサルティングや直売所の立ち上げ支援などを行う。また、ジョイントベンチャーを設立し、国内最大規模の社会人向け農業スクールの開講に携わる。2014年より茨城に戻り、インターン事業を中心に若者の人材育成と地域の中小企業の経営革新を行う。「働く」と「組織」のアップデートを目指し、兼業・副業や採用支援などにも取り組む。
ーどうして、地域おこし協力隊になったのか
いつかは地元に戻りたいと思っていた。ワカメの商品開発やプロモーションを行って、稼ぐのが楽しかったが、その反面次の人材を育成しない持続可能ではないと思った。地元に帰りたいと思った時にちょうど地域おこし協力隊の募集があり、またインターンシップ事業もやりたいと思っていたので、今だ!と思って応募しました。
ー起業で苦労したこと
名前も看板もない中で、色々な会社を開拓するのは難しかった。インターンシップのコーディネーターと言っても、会社さんは分からないですね。その中で、社長同士で紹介してくれるようになった。コツコツ信頼関係を築くこと。1つ1つ仕事にしっかりと取り組むことが大事と感じました。
ー茨城でこれからやっていきたいこと
選ばれる中小企業を増やしていくために、インターンシップ事業を通して学び合いを作っていきたい。インターンシップ事業は、学び合いの場でフラットな関係を作れる。無給で一生懸命する学生に働いている人に「なぜ、これをやっているか」を聞かれると働いている人は答えざるおえないので、結果的にお互いに学び合う関係が作れる。
ー地域おこし協力隊に興味のある方へ一言
繋がりがない中で活動をやっていくこともあるが、自分を通して人を紹介したりできる。不安なこともあるが、相談いただければと思います。
第2部のトークセッション
greens.jpビジネスプロデューサー小野裕之さんとインクデザイン株式会社の鈴木潤さんが登壇しました。
小野 裕之(おの ひろゆき)
greenz.jpビジネスアドバイザー。1984年岡山県生まれ。中央大学総合政策学部を卒業後、ベンチャー企業に就職。その後、ソーシャルデザインをテーマにしたウェブマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズの経営を6年務め、2018年、同法人のソーシャルデザインやまちづくりに関わる事業開発・再生のプロデュース機能を事業会社として分社化、代表に就任。greenz.jpビジネスアドバイザー。 ジュエリーブランドSIRI SIRI共同代表。おむすびスタンド ANDON共同代表。まちづくり会社 散歩社 共同代表。
鈴木 潤(すずき じゅん)
インクデザイン合同会社 代表社員。茨城県日立市出身。B型、1974年生。1992年、地元を飛び出して、大学留年中にMacに出会い衝撃を受けデザインの仕事を目指す。 2013年、コーポレートツールのデザインに特化したインクデザインを創業。 2017年、生まれ故郷の日立市と東京との二拠点活動を始める。 2019年、茨城県に特化した共感型求人サイト「いばしごと」を始動。
ー地域を編集する(ブランディング)するポイント
小野さん:地方都市にはたくさん資源がある。この資源は料理で言うといわば材料。地域には職人が必要と思っていて、3年位腰を据えて自分のやりたい資源や材料を見つけて磨いていくこと。地域に行く前にはしっかりと戦略を立てて移住する。自分のやりたいことが実になるのは3年から5年かかるためにしっかりと何か仕事をして生活できるような稼ぎを作ることも大事。
しっかりと借金をつくることはとても大切ですね。信用金庫は事業に投資して金利で回収するために投資をしたいと思っている中で、自分が投資対象になることが大事です。自分の好きなことと地域資源をかけてしっかりと投資対象になるためにプランを作るために、地域が好きよりも自分が探求できるテーマを持つことが大事です。
鈴木さん:地域は東京よりもバッターボックスに立てる回数が多い。東京は企業ができるが競合がいっぱいるが地方で同じことをすると応援してくれる人が多い。自分がしっかりと探求できるテーマを持っていてしっかりと応援される関係性づくりが大事。
ー地域ブランディングに必要なこと
小野さん:自分をしっかりと高めることが大事。その中で、ブランディングで大事な事は続けること。10年続ければ何でもブランドになる。自分が経営者と認識して様々な価値観に触れて自分を磨いていくこと。しっかりと消費者として消費することで初めて供給側に回った時に考えが変わる。高いものから安いものまでたくさんの消費を行うことで、自分がこれがいいと思うものがきっと出てくる。
鈴木さん:地方はおしゃれなカフェに行ってノマドの生活でサーフィンに行ってるような幻想は無い。むしろ地域は泥臭いことの方が多い。おしゃれ感をブランディングしていくことがブランディングではない。地域には東京にないリアル感やエモさがある。自分がやっている今仕事にはそういう東京にないリアルを届けたい。
ー地域から東京への情報発信について
鈴木さん:ローカルと言うのはオリジナリティー。個人的に注目している情報発信はポエム。最近はFacebookからnoteに移行してポエムを書いてる人が見られているので、エモーショナルな文章でビジネスポエムを作る人が増えていくんではないかと思う。
小野さん:情報発信の秘訣は数をたくさん打つこと。たくさん発信して疲弊することが大事。情報発信の講座の中で、文章も書いてないのにリアクションがないと言う人が多い(笑)。
量をこなさずに次のフェーズに行くのは難しい。野球で例えると、素振りを何百回も行う中で、何のためにバットを振るかなど疑問を持ち始める。その疑問が目的性を持って自分のフォームが変わってくる。全く触れてないのに、打つためにどうしたらいいですかよりもまずバットを振ることが大事。レクチャーや教科書を読むよりもたくさん連発することが大事。まずは3ヶ月を目標にやってみる。
参加者とゲストが自由に意見交換できる交流会を開催
参加者は、ゲストや自治体関係者と話をして会の内容を深めていました。
茨城県北ローカルベンチャーラボの地域おこし協力隊募集締め切りは、10月31日。
自分のワクワクすることを事業化して、自分の人生を主体的に生きる人を茨城県は募集しております。