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茨女(いばじょ)編集長の川井真裕美さん、イバフォルニア小池氏らが登壇。茨城県北ローカルベンチャー

茨女(いばじょ)編集長の川井真裕美さん、イバフォルニア小池氏らが登壇。茨城県北ローカルベンチャー

    CATEGORY: AREA:茨城県

「茨城県北ローカルベンチャースクール2019 プレ講座」が8月9日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷)で開かれました。「茨城県北ローカルベンチャースクール」は、県北地域の活性化を目的に県北地域での新たなビジネス創出を支援する講座。コンセプトに「チャレンジする文化とコミュニティを創る」を掲げています。

同講座は、2018年から始まり、2回目。県北地域エリアである日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町の5市1町での起業家人財育成・支援等を行っています。当日は、同事業のプレ講座として「教育xデザインx民泊について実践者と語り合う!地方創生ローカルベンチャー会議」を開講。

「茨城県北ローカルベンチャースクール2019 プレ講座」(東京)開催 

県担当者は、事業説明で、「県北エリアは、人口減少、少子高齢化といった過疎化が著しい。県北地域で新しいビジネスをつくる、コミュニティをつくることで雇用を生み出し、定住を促進することで、受講生や事業者間のコミュニティに地域外の人を呼び込みたい」と話しました。

「笑顔とお金のバランスの取れたまちづくり」

説明後には、「茨城県北ローカルベンチャースクール」総合プロデューサー・齋藤潤一さんが登壇。齋藤さんは、人生をかけてやり遂げたいのは「笑顔とお金のバランスの取れたまちづくり」と話し、米国シリコンバレーでの経験や学びをはじめ、帰国後の経歴、親族の死をきっかけに決めた「後悔しない人生を生きよう」「いつかは、永遠にやってこない」という意思の背景を語りました。「大事にしたいのは、良い仲間とやること」「巻き込まない、弱いつながりが大事」と話す一方で、「9割の人が行動しない」という事実を、ユーモアを交えて解説。「行動なくして成長なし。あとで振り返って、点のつながりに気づく」と力を込めます。

事業のキーワードは『チャレンジ』

齋藤さんは、「この事業のキーワードは『チャレンジ』。ちゃんとお金を稼ぐということを徹底的に教えていく。笑顔とお金のバランスの取れた『まちづくり』のためにもビジネスを作ることが大切」と話します。また「一人一人がワクワクする、楽しいと思える、ありのままでいられる事業をやることが大事。全5回という短い中だが、本当にやりたいことは何かを問いただしていく。補助金漬けになるのではなく、自分の生きている時間に対して投資をしていく。命の時間はみんな同じ。全力でワクワクすることをするための時間の投資だと思って取り組んでほしい」と呼び掛けました。

次に、齋藤さんをモデレーターにゲストとのトークセッションを展開。


トークセッションには、水戸市出身で茨城の女性に着目したフリーペーパー「茨女」編集長やIBARAKI sense(イバラキセンス)のPRマネージャーなどを務める川井真裕美さん。

民宿「満州屋」、キャンプ場「キャンプ・ジャルディーノ」経営のほか、地元の阿字ヶ浦海岸に自由で解放的な空間と文化を創る「イバフォルニアプロジェクト」を立ち上げ活動する小池伸秋さん。

東京都出身で、映像授業を実施する「e-Educationプロジェクト」を20歳で立ち上げ、仲間と共に世界各地で同事業を広めようと奮闘する税所篤快(さいしょ あつよし)さんが登壇。

昨年の同スクールビジネスプランプレゼンテーションで最優秀賞を獲得した小池さんは、「ぼくらがやっているプロジェクトは日本中どこでもできるプロジェクト。(阿字ヶ浦以外にも)広げていける」と話し、「100年後も豊かに暮らしていける海辺のまちを目指す」と意欲も見せました。

ゲスト講師とのトークセッション「茨城県の可能性と魅力について」

齋藤:県北のおすすめスポットは?

川井:高萩の花貫渓谷。飛び込める川があり、アクティビティとして最高です!

小池:奥久慈トレイル。全国各地からトレイルランニングの大会に参加する人も多い。水戸に100キロを超えるランを企画している人もいるんですよ。

税所:うのしまヴィラ。去年、初めて行ったんですが、家族でも、1人でも海の目の前で癒されますね。

斎藤:ローカルベンチャースクールを通して伝えたいのは、一人ひとりが自分のやりたいことを見つけて欲しいということ。小池さんが言った100年先も・・・というようなものを見つけて欲しい。3人は自分のやりたいミッションがあれば、手段を変えてもやっていけているのではないかと思っています。税所さんは、殺害予告を受けたこともあるそうですが、教育という分野でなぜやろうと思ったんでしょうか?
税所:ソマリランドで雇用を生み出すようなビジネスプログラムに挑戦しました。現地での過激派から殺害予告も受けたこともあります。チャレンジして、何かささやかな成果が出てくると自分でやることが楽しくなってやり続けてしまう。仲間もできてくると、それが普通になっていって続いていくんですよ。

斎藤:僕自身も感じていますが、チャレンジしているとチャレンジする人に出会える。チャレンジする人が人を呼んでくるのが面白さだと。
小池:「なぜ」を深掘りするのがこの講座。分かっているようで分かっていない自分のことをひたすら深掘りしていく。深掘りしないと本当に自分のワクワクを見つけられず挫折してしまう。このスクールは、自分は何が好きか、ワクワクするかを見つけるのがキモ。僕の場合は、それをずっと斎藤さんに問い続けられました(笑)。東京に住んでいる人よりも幸せになりたい。そうすることで、帰って良かったと思えて僕の存在証明にもなる。チャレンジするのは、自分が生きやすい社会を自分の手で作っていくことですね。実際にやってみたら、30〜40年変わらなかった制度が変わったということもあります。

斎藤:茨女という市場を作ったのはイノベーティブだと思うのですが、なぜ茨女を初めて、茨城の魅力を発信するような仕事をしているのでしょうか?
川井:実は、強い志があったわけではなかったんです。当時、グラフィックデザイナーとして渋谷で働いていたのですが、祖母の病気をきっかけにUターンを考えるようになりました。親族含め公務員であることや地元の友人と疎遠になってきたこと、地元での求人を探した際にWEBサイトや情報誌がなかったことが茨女を作ったきっかけだったんです。茨女の活動を通して、自分の中でミッションを見つけて、茨城の良いところを見つけるようになったと感じています。

斎藤:最初から自分からやるぞ!という人もいるし、いろいろな人に触発されて始める人もいますよね。ちょっとずつでも始めて見ることでスモールビジネスなどにつながることにもなる。最後に、1人ずつワクワクしていることを教えてください。
小池:ロッキンジャパンがあり、1日で6万91000人が来るんですが、今年1日だけ参加したんです。ファンだったサンボマスターのフレーズを聞き、それが自分の原点だと改めて感じました。現状に満足していないのであれば、そこは自分の居場所じゃないと思う。
川井:自分の作っているフリーペーパー10号が発行されます。ひとりで始めた編集部も今、8人になってみんなで作り上げるワクワクがあります。
税所:今は、夫婦で育休を取って、育児というプロジェクトを楽しんでいます。スタジオジブリのフリーペーパーで連載もしていて、その中でこの講座の話も書いたこともあるんですが、水戸での子育ての話も書いていけたら。子どもは自分にとって新しい世界を見せてくれていると思っていて、育児も楽しんで家族で新しいチャレンジをしていきたいですね。

トークセッション終了後には、交流会も行われ、参加者が登壇者に話し掛ける姿や参加者同士で意気投合し盛り上がる様子が見られました。

同スクールは、9月7日〜11月30日まで。全5回。