
メンターとして登壇した、加藤雅史さん(画像左)と和田昂憲さん(画像右)
受講生は年齢も職業もモチベーションもバラバラです。「絶対起業します!」「県北から世界に!」という志を持つ人もいれば、「仲間づくりをしたい」「地域で何かしたいけれど何をしたらいいかわからない」という人もいます。
目的は違えど、それぞれに熱い想いがある個性豊かなメンバーの中で「負けるわけにはいかない」という気持ちが漂っているように感じられたのが印象的でした。
地域ビジネスに欠かせない「3つのポイント」
茨城県北ローカルベンチャースクールは、多様な人材の中で「自分は何がしたくて、何ができるのか」を考える機会となります。今回は齋藤さんに加え、昨年までの受講生である加藤 雅史さんと和田 昂憲さんがメンターとして参加してくれました。
お二方の話も含め、自己紹介・地域づくりについての講義・ワークショップという流れで行われた講座全体を通して学んだ、すぐに実践できる地域ビジネスに重要な3つのポイントをご紹介します。
1.臨機応変な対応力を身につける
齋藤さんは参加者の雰囲気を見て自己紹介の時間や講義の内容、ワークショップの形式を変えているそうです。私自身、斎藤さんの講義は何度か受けたことがありますが、何度受けても飽きないのはそういった工夫があるからかもしれません。
このことから学べるのは臨機応変な対応力。地域で活動をしていると、どうしても予想外のことが起こります。そんなときにもくじけず対応する力があれば、持続可能なビジネスにすることができます。
速くたくさん失敗することは地域ビジネスの鉄則であり、これをくり返すことで対応力も身についていくことでしょう。
失敗は人生のネタになる。そう思って生きていれば、不安はあまりありません。
メンターである和田さんのこんな言葉も参考にしたいところです。
2.自分のワクワクを深掘りする
地域ビジネスを行う上で重要なのが、「ワクワク×地域課題」です。自分がワクワクすることと地域のニーズを掛け合わせ、間を行ったり来たりすることでビジネスを進めていきます。では、本当に自分がワクワクすることは何でしょうか。これを考える際、誰かに聞いてもらうことでより考えが深まります。

「話しているうちに、自分の気持ちを思い出してきた」という受講生も。
ワクワクを重視しすぎて地域課題を見失いがちです。地域のニーズを忘れてはいけません。
とはいえ、地域課題は実際現場に行かないと見えてこない部分もあります。この講座では第2回にフィールドワークが準備されていますが、現場に行く前に自分のワクワクをじっくり突き詰めておくことで、地域課題と掛け合わせやすくなるのではないかと思います。
3.自分のミッションを明確にする
地域ビジネスは常にチームでやってください。1人で戦わないでください。
齋藤さんはこのようにいいます。では、チームとなる仲間はどうやって集めるのでしょうか。ここで重要になってくるのがミッションです。ミッションが明確であれば、それに共感した人が協力してくれるようになります。「なぜこれをやるのか」「なんのためにやっているのか」が明確であることは、地域ビジネスで成功している人の共通点でもあります。
齋藤さんも自身を語るとき、ミッションを初めに紹介していました。これは相手に自分を理解してもらうためのコツともいえるでしょう。とはいえ、明確なミッションを掲げるのはなかなかすぐにはできません。そこで齋藤さんは、もう一つアドバイスを送ります。
ロールモデルをつくるのはいいですね。そこを目指しているんだなってわかりやすくなります。ビギナーの人にはおすすめです。
ということ。これなら難しく考える必要もなく、誰でもすぐにできるのではないでしょうか。
全5回、行動あるのみ
『地域ビジネス』と聞くとハードルが高いようにも感じるかもしれません。ですが、上に挙げた3つのポイントは今すぐ始められることばかりです。しかし、
このような講座をたくさんやっても、9割の人が行動していません。
と齋藤さんは嘆きます。
頭では理解していても、行動に移さなければ何も始まりません。ここまで紹介した3つのポイントについても同様で、今すぐ行動に移せば全5回の講座が終了する頃には、自分にとって何か変化が起こっているのではないでしょうか。
去年この講座に参加して仲間を見つけました。すごくいい場になると思うので、このコミュニティを大事にしてください。
メンターである加藤さんのこの言葉を胸に、互いに切磋琢磨しながら、地域ビジネス創出に向けて突き進む日々が始まりました。
(第2回へつづく)