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教室に入ると、講座開始前から、受講生が自分の商品について熱心に意見を交わしていました。「地域に変革を起こすリブランディング講座」の第1回。早くも熱気にあふれています。
講師の嘉村賢州さんは「気軽に”けんしゅうさん”と呼んでくださいね」と、優しい口調で語りかけ、教室は一気に優しい雰囲気に包まれました。
賢州さんは、京都に拠点を置くNPO法人場とつながりラボHome’s viの代表をされています。団体名は、フランス語読みで”おむすび”。地域にコミュニティを作ったり、新商品を開発する企業の支援をしたりしています。
この日は「地域資源とは何か」「どのように発掘するか」「どう活用するか」について考えるワークショップが行われました。併せて、話し合いの手法についても学んでいきます。
「絵あてゲーム」と「嘘つき自己紹介」?!
簡単な自己紹介の後、グループで心と頭の準備体操からスタート。
1つ目のウォーミングアップは「絵あてゲーム」です。あるお題にまつわる絵を、1人目の人が描いて、ほかの人が当てる。当たったら次の人が描いて・・・と回していって、一番たくさん当てたチームが勝ち。
出されたお題は「宮崎といえば」。みなさん、どんどん描いていきます。すぐにピンとくるものもあれば、答えを迷ってしまうものも。パームツリーやマンゴー、みやざき犬に、神楽かな?4チーム中、2チームが21個当てて、引き分けとなりました。
次のウォーミングアップは「嘘つき自己紹介」。紙を4等分し、左上に呼び方、残り3枠に自己紹介を書きます。趣味や好きな食べ物、失敗談、特技、仕事内容などなど。その中の1つが嘘で、ほかの人はどれが嘘なのかを当てます。
意見を聞き合う雰囲気をデザインする
2つのウォーミングアップには、意味がありました。
「絵あてゲーム」は、お互いに意見を聞き合いたいという雰囲気をデザインするものです。それと、地域資源を探るため。だいたい10個を超えたあたりから、有名ではないけれどみんなが知っている地域資源が出てくるそうです。
「嘘つき自己紹介」は、重要な資源である人のことを知るためのワークです。
好奇心が生まれる前に聞いても、その人の話は残りません。普通の自己紹介は意味がないんです。
賢州さんの言葉にハッとさせられました。
地域資源をどう活用するか
グループメンバーのことが少し分かってきたところで、本日のテーマである「地域資源とは何か?」について考えていきます。
その土地の宝物。よそにないもの。風景。きれいな海。地元にいたら気づかないもの。宮崎にある文化や伝統。さまざまな意見が出されます。
次の質問は、「どうやったらうまく地域資源が発見・発掘でき、うまく活用できるのだろうか。」
「よそ者・若者・ばか者の意見が大事だよね」「あるものをどう掘り下げていくかを考えたい」など、それぞれのグループで考えをまとめました。
事例に学ぶ、地域資源の活用方法
賢州さんから地域資源について考えるヒントとして2つの地域の事例が出されました。
鳥取県でお餅を作っている会社。餅に自信はあるものの、売り上げのほとんどはお正月です。どうすればほかの時期にも売れるのか。友人である賢州さんの力も借りてアイデアを募集したところ、薄いスライス餅なら普段の食事やおやつに使えるという意見がありました。
普段使いできるという意味を込めた「毎日がもちようび」という商品が生まれ、レシピ集も入れました。元々あった資源を生かし、ネーミングやストーリーで伝え方を工夫することで、広がりが生まれました。
もう一つは、フィリピンセブ島の語学留学。約1カ月滞在費込みで10万円程度で留学できるそうです。しかも授業は先生とマンツーマン。公用語が英語であること、途上国で人件費が安いことがビジネスに生かされています。
航空運賃が下がったことで留学生が集まり、インターネットが発展したことでオンライン授業もできる。持っていた資源に時代が追いついて花開いたという事例です。
地域資源を発掘すること。どんな活用があるのかを幅広く考えていくこと。ニーズが名前やストーリーによって伝わること。これらの段階を踏んで、初めて買いたいと思われるものができるのです。
次回後編では、賢州さんに学ぶ「アイディアを生み出す具体的な手法」をお伝えします。
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寄稿:川越 祐子