PR for アグリビジネススクール
九州・宮崎県の南西部に高原町という町があります。読み方は「たかはる」。天孫降臨伝説の神話のふる里として知られ、「日本で最も美しい村連合」にも加盟する美しい町です。
高原町で酪農を営むのが、小野田裕之さん。酪農を生業とする農家の3代目です。小野田さんは、酪農を営む傍ら、高原アイスクリーム研究所を立ち上げ、オリジナルブランドのアイスクリームを作られています。
宮崎のご当地グルメコンテストで優勝
小野田さんは、2015年10月に研究所を立ち上げ、「地元のものを 無添加で」をテーマにアイスクリーム作りを始めます。
地元の素材にこだわったアイスクリームは話題を呼び、2016年・2017年と、宮崎県内の各地域しのぎを削るご当地グルメコンテストで優勝。2連覇を達成する快挙を成し遂げました。
現在では、ふるさと納税の返礼品でも大人気商品となっており、高原町を代表するスイーツになっています。
東京で学ぶ稼ぐ農業
「稼ぐ農業」をテーマに開催されている農業ビジネスを学ぶ学校・アグリビジネススクールで、小野田さんの講演が開催されました。その模様をレポートします。
酪農家がアイスクリームを作った理由
小野田さんがアイスクリームを作ろうと考えたきっかけは、ご当地グルメコンテストだと言います。
2014年に当時酪農を担当されていた役場の職員の方から「出てみないか」と声がかかり初のグルメコンテストに参戦。見事2位に輝きます。翌年は優勝を目指し参加したところ、3位入賞止まり。
この結果が、小野田さんをやる気にさせたのだと言います。
3位の結果だったのですが実質の惨敗だったんです。800食を用意したのに300食しか売れなかった。すごく悔しかったんです。「自分の力でどこまでできるか」に挑戦しようと思い、アイスクリームについて勉強を始めました。
酪農の仕事が終わってからアイスクリームの勉強をし、試作をするという日々が一年くらい続いたと言います。
6次産業化の3つのポイント
手探りで始めたアイスクリーム作りも、冒頭で紹介したように快進撃を続けています。
「6次化産業は難しい。なぜなら四六時中、どうすればお客さんが喜んでくれるだろうと考えなければいけないから」と、前置きした上で、成功のポイントは3つあるといいます。
1つ目は、「マンパワー」と「自己資金」で実行しようということです。私は、自分でやとうと決めて、まず100万円を用意してスタートしました。仕事がどんなに大変でも、一日一歩、少しでも前に進むと決めて、1ページでも本を読む、ひとつでも他の事例を調べる。そんなふうに過ごしていました。
2つ目は、本業への影響は最小限にすることです。ベンチャー企業を立ち上げるような気持ちで、酪農とは別会計で始めました。それでどれだけ挑戦できるか、本業を疎かにせずにできるかが大事です。
3つ目は、スピードです。スピード感をもって、やると決めたことはすぐ実行。小さい失敗を恐れずに、実行するのが大事だと思います。スピードをもって実行するために、補助金にはできるだけ頼らない方が良いのではないかなと思います。何よりもスピードを優先して、トライして改善していくことが必要だと思います。
稼ぐ農業チームのつくり方
小野田さんは、最後に最も重要なことは「チームでやること」だと言います。
どんなことでも言い合える仲間をつくることが大事だと思います。農業はひとりでやっているように思えるかもしれませんが、そんなことはないです。
アイスクリームも、デザインはプロに任せて、ウェブサイトを作ったりもひとに任せて、アイスクリームの味も、素材を提供してくれる方と一緒に作っています。
グルメコンテストも、仲間がいたからこその優勝でした。
これから農業を始めたいという人はどのように仲間を作るのが良いのでしょうか。小野田さんは、「挑戦すること」だと言います。
挑戦していると、誰かが見ているし、一緒にやろうという声がかかったっりすると思います。そして誰かと一緒に挑戦していると、さらにまた声がかかる。そしてこうやって東京で話すようなことにもつながっています。大事なのは、挑戦すること。そして機を逃さないことかなと思いますね。
次回講座のご案内
農業ビジネスの最前線で活躍する方から直接学ぶ「稼ぐ農業」。今回は、大人気の商品開発秘話を伺うことができました。
次回のアグリビジネススクールは、10月14日に開催されます。ゲストは、世界農業遺産にも認定された宮崎県高千穂町か らベテラン農家さんが登壇予定となっています。
新規就農を希望される方はもちろん、農業ビジネスをはじめとする地域ビジネスに興味がある方、移住に興味がある方など、様々な方にお越し頂きたいイベントです。
ぜひお気軽のご参加ください。