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茨城県水戸市で、商店街を活性化しようという試みが始まっています。
舞台となっているのは、「泉町仲通り」。全盛期は30近く飲み屋がありましたが、現在では9つまで減少し、空き家や空き地が目立つ通りになってしまった、一見廃れつつある商店街です。
ひとりの想いが町を盛り上げる
泉町仲通りで、9月16日・17日に開催されたのが、空き店舗を再利用したお祭り「ザ★リノベマーケット×まちなかほしぞら横丁」です。
今年で2回目となる祭りを企画したのは、建築士の加藤雅史さん。
ふるさと水戸を元気にしたい。親子で楽しめるような町にしたいと考えています。
こう語る加藤さんの想いは、商店街全体を巻き込みながら、泉町仲通りを盛り上げる活動につながっています。
ひとりの想いがどのように町を動かしていったのでしょうか。
ほとんどのお店が参加し、お祭りを開催!
「ザ★リノベマーケット」は、商店街のほとんどのお店が参加した一大イベントです。
泉町仲通りを歩行者天国にし、空き店舗にクリエイターを招き、2日間だけの限定ショップとしてオープン。クラフトや木工など体験できるものや、音楽演奏やラジオ体操など、親子一緒に参加して楽しめるイベントも開催されるというお祭りです。
「最初からうまくいったわけではありません」と加藤さんは言います。
地元を離れてヨソ者に。から回りは禁物
去年はたった4軒だけの参加でした。地元を離れて、いきなりやってきて、好き勝手やっていると思われたんだと思います
加藤さんは水戸出身ですが、日立に事務所を構えたこともあり、地元からだいぶ離れていました。まして仲遠りとは縁がありません。
「こうしたら盛り上がるはず!」という思いと行動は誰にも届かず、批判も聞かれるようなことがあったと言います。
仲通りに事務所を移転。「覚悟」と「決意」
「本気度を示すことが大事」と語る加藤さんは、地域に溶け込もうと日立から仲通りの空き店舗に設計事務所を移転。
名実共に、仲通りの一員になります。
商店会にも入会しました。本気でやってるぞということを示すためにも、そして自分の思いだけではない活性化につなげたいという思いもありました。
飲み歩いて、店主の声を聞いたり、空き店舗の掃除をしたりなど、少しずつ信頼が高まっていきました。
「商店街になくてはならない存在」という評価
商店街の方からも「なくてはならない存在」と言われるようになりました。
加藤さんの活動は、地元の意見も、外からの意見も交えながら、泉町仲通りを、ひとつにつなげていくきっかけになっていきます。
「水戸に恩返しをしたい」と いう思いから、ここまでやってきました。水戸は中心街だから大丈夫 とは思っていません。今、なんとかしなければ、廃れていってしまうだけになるかもしれません。
少しずつ、仲間も増え、商店街のみなさんも協力してくださっています。
仲間が集い、みんなで作る商店街を実現
「ザ★リノベマーケット」を成功させた加藤さんは、いま新しい挑戦を始めています。
仲通りのシンボルである門看板にあかりを灯すという取り組みです。
商店街のシンボルとして愛されていた門看板の明かりが、4年前から電気系統の故障で点灯しなくなっています。
その結果、商店街の入口が暗くなってしまい、輪をかけて寂しい感じを増長させてしまっているんです。仲通りのシンボルを復活させて、元気な通りを実現したいと考えています。
加藤さんの挑戦は、クラウドファンディングで資金調達を実施中。3千円から支援でき、仲通りで使える商品券やオリジナルTシャツが準備されています。
「商店街のみんなの声や、まわりの声を受けて、みんなでまちを作る一歩だと思います」と語る加藤さん。
クラウドファンディングを活用したことで、想いがより広く共有されていっています。
水戸で始まった商店街活性化の取り組みと、これからのまちづくりに注目です。