
「人口減少のペースを緩めるためには、東京一極集中を是正し、出生率が比較的高い地方圏への人の移動を促進することが重要となると考えられる」
「国土交通白書2015」でもそう触れられている国の施策によって、自治体間の移住施策はいまや花盛りである。合わせてリモートワークやサテライトオフィスなど、オフィスのありようや勤務形態もどんどん変化しているが、そんな中で移住する人、働く人のマインドはどうなっているのか。
地方での多様な働き方を実現するには、どんなことが必要なのか。キーワードは、自分への「投資」。地域プロデューサーの齋藤潤一氏に聞いた。
働き方を変える「投資」という考え方
■齋藤さんは2015年にスタートした、宮崎県への移住を促進するプロジェクト『宮崎移住計画』に関与されていますね。
はい。東京を中心に宮崎県の魅力を伝えるイベントを開催し、宮崎県への移住者を増やすことを目的としていました。
でも、当初は広告などの効果でたくさんの人に来てはもらえるものの、移住者がなかなか増えなかったんですよ。
■それはなぜでしょうか。
移住を検討している人が一番重視していることを見誤っていたんです。ぼくたちはアンケートを取り、それが「働くこと」であることを知りました。
どれだけ魅力的で暮らしやすい環境があっても、働かなければ生きていけません。シンプルなことですが、あれもこれもと魅力をPRすることに一生懸命だったぼくたちには見えていなかったんです。
■NPO法人ふるさと回帰支援センターがまとめた2015年の「移住希望地域ランキング」で、宮崎県は圏外から10位にジャンプアップしましたが、裏ではそんな失敗があったのですね。
そうです。山ほど失敗している中でも印象深い1つです。でもこの失敗のおかげで、イベントのテーマを「地方で働くこと」に絞り、宮崎県の企業の方に東京で話をしていただくようにして、10位という結果に結びつけることができました。
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