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21世紀になり、現代の食生活は大きく変わってきています。
加工食品の普及や、核家族化など、様々な原因があるでしょう。
3つの「コショク」も話題に上がることが多くなりました。
一人きりで食事する「孤食」、家族が揃っても食べるものがバラバラな「個食」、好きなものだけ食べる「固食」です。
思わず、自分自身の食生活を見直したく取り組みが福井県河和田で始まっています。
92歳の手書きレシピを後世に残す
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鯖江市河和田地区在住の山田トシさんは、92歳となった今も現役の料理の先生です。
地元からは「トシ先生」と慕われる存在。
約60年前から市内の料理教室で指導を続け、50歳代の頃からは、地区内を回って伝承料理を調べ、作り方を細かくレシピに書き留めるようにもなりました。
伝承料理や和洋中・製菓などを合わせると、約1000枚にものぼる手書きのレシピの山ができているといいます。
「家庭の料理っていうのは大事なんや。買ってきて食べさせるご飯では心が育たん、心を込めたものを食べたら心が育つよ。」
出典: kiriko-k.com
と、トシさんがよく仰る言葉通り、料理教室を通じて、伝統ある食文化の継承、食に対する感謝の念の醸成を積極的に行っていらっしゃいます。
幻になる前に、本という形で保存したい
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トシさんのレシピを伝承料理の継承に活かそうと、河和田地区で作る「うるしの里かわだまちづくり協議会」が製本化を企画し、2015年末に冊子が完成。
『山田トシさんの手料理帳』として限定150部が世にでることになります。
しかし残念ながら、販売用に制作したものではないため、この冊子は早くも「幻」となってしまいました。
このままでは、「トシさんの手書きレシピ」も「河和田の伝承料理」も、そして何より、トシさんが残そうとしてきた想いが途絶えてしまうのではないかという危機感が、あるプロジェクトを生み出しました。
それはクラウドファンディングを通じて、『山田トシさんの手料理帳』を増刷し、より多くの方の手元に届けようというプロジェクトです。
「食」を通じた「心」の継承
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トシさんの料理は、特別変わったものではないのだといいます。
普通のものが主役の料理なのに、何が違うのでしょうか。
普通の食材を、味わい深い、滋味深いお料理へと調理されていくトシさんの姿は、食べる人の事を思いながら手間を惜しまず、厭わず、愛情のかたまりのように感じられます。
出典: faavo.jp
とは、うるしの里かわだまちづくり協議会の方の言葉です。
「食」に向き合い、人の心に寄り添ってきたトシさんの想いに触れることができる今回のプロジェクト。
2000円の支援から受け付けており、冊子を始め、様々なお返しが用意されています。
トシさんへの愛情が詰まったこちらのページも必見。
あなたも、冊子を手にとって見ませんか。