日本の子育て環境を考えたことがありますか?欧米では、男性の子育て参加は、当然だと考えられているようです。一方、日本は、民間企業に勤める男性の育休取得率がわずか 2.63%(内閣府男女共同参画局調べ)もはや、ガラパゴス化している日本の子育て環境を改善するべく、子育て支援サービスで起業した佐藤さんを取材しました。
以下:佐藤充朗さんインタビュー
私は、愛知県出身で、地元の大学を卒業後、製薬関連の会社でMR(各病院を訪問し医薬品の情報を提供する仕事)として12年間、勤務してきました。
兵庫、徳島、神奈川、愛知と転勤族で、各土地の医療の現場では、実際に、悩みを持つ患者さんに接する事を通じて、一人一人のQOL (生活の質)を高める大切さも学びました。
人としてどう生きるか?を考えビジネススクールへ
MR として、12年間、会社に勤務して、自分の人生の振り返りとして、人間学を学べるビジネススクールに入りました。ビジネススクールでは、特に、ビジネスを通じて社会に貢献する事、人としてどう生きるべきなのかを学ぶことができました。
さらに、すでに実践している仲間に出会えた事も、サラリーマン一本で働いてきた自分にとって、良い経験になりました。
娘の誕生と共に芽生えた想い
このビジネススクールの入学時期と同じタイミングで、娘が生まれました。初めての子育ては、非常に大変でした。私以上に妻が大変だったと思います。
「娘が大きくなった時には、子育てしやすい社会になっていて欲しい」という強い想いから、今の子育て支援のサービスを考えはじめました。
12年勤めた会社を辞めて、子育て問題を解決するために起業
子育て支援サービスについては、ビジネススクールで、しっかりと事業計画を作ることができたので、起業する決意がかたまりました
起業にあたっての、大変だった事は、家族の理解を得るまでの時間です。妻には、最初「チャレンジしたい」想いを伝えましたが、最初は、理解するのが難しかったようです。
決まった日に給料が入ってくる生活からの脱却と不安
これまでは、「決まった日にお給料が入ってくる」いわば、何不自由ない安定した暮らしをしていたので、不安もあったと思います。
子供を育てるには、お金がかかります。
この点では、私も葛藤しました。しかし、子供が2歳になり、これからさらにお金がかかるにあたり 「今、起業しないと、この後さらに難しくなる」という思いが私はありました。
妻とは、時間をかけて「どういう事業をしたいのか?」「なぜしたいのか」話をしました。 最終的には、家事の分担や、チャレンジの期限を決める事で、妻の理解をえることもできました。 今では、一番の理解者で、応援者でいてくれています。
日本の育児環境を改善し、育ち合いの社会へ
日本の子育て環境は、男性の育休取得率がわずか 2.63%という数字に現れているように育休取得が難しいなど、多くの課題が有ると思います。
また、子育て・育児支援を行う団体へのヒアリングと通じて、お母さん方の悩みとして、「男性の育児参加」や「家事の分担」が強い事がわかりました。
日本には、「イクメン」という言葉がありますが、 欧米諸国では、そもそもイクメンという言葉もなく、男性が子育て・育児・家事に関わる事は、当然のことです。
子育てについて、気軽に相談できるQ&Aサイトを開発中
解決するには、お母さん、お父さんが相互に子育てや育児・家事への想いを知る機会を多くつくる事で、解決できます。
最初の子供が生まれた時、お母さんは、みんな、子育て初心者です。私の経験上、住んでいる地域に子育てを支援してくれる人やおじいちゃんおばあちゃんなど相談できる人がいると、お母さんの気持はぐっと楽になります。また、お母さんに子育に関する情報量が増えれば、選択肢が増え負担感や不安感が軽減できる。
このQ&A サイトを使えば、近くにいる人に気楽に質問する事ができる事に加えて、地域コミュニティと結びつきやすくなります。
私が、子育てについてヒアリングや調査をしてきた中で最も必要とされている事を事業化しました。(佐藤さんは、毎日ブログを更新して子育て環境研究している「子育て支援のセカンドオピニオン」)
人と人の縁を大切に、子育てしやすい未来を創る
私は、現在(2014年7月9日)クラウドファンディングにチャレンジをしています「母の育児不安を解消する子育て支援webサービスやイベントを!」 ビジネススクールの同志や前職の会社の同期だけではなく、疎遠になっていた阪神大震災でボランティアをしていた仲間などにも支援をしてもらい、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
応援してもらうだけではなく、次に人を紹介してもらったり、人と人とのご縁をつないでもらいます。
私は、なんとか、起業の一歩踏み出すことができました。もうここしかないタイミングでした。 とはいえ、まだ動き出したばかりです。クラウドファンディングの次には、サービス開発です。 サービスを作った後は、しっかりと軌道にのせる必要があります。 その先に、子育て環境が変わっていく未来が待っています。
多くの男性は、子育てを“意識”していなかったと思います。 私の活動をつうじて、子育てを意識する男性が増えてくると思っていますし、増やしいきたいです。 子育てQ&Aサービス は、その1つです。
日本が、いつの日か、子育てしやすい国として、世界のトップになっている事が、私の夢です。
佐藤さんがチャレンジ中のクラウドファンディング(2014年7月29日まで)