「半農半X(はんのうはんえっくす)」この言葉をご存知ですか?
「なにそれ意味分かんない」と思っていても離れないでください。
「半農半X」は、これからの地方の生き方でとっても大事な考え方なのです。
意味は読んで字の如く、「半分農業と半分Xをして生活していこう」という意味です。
そのエックスがわからない!と思った方、まだこらえて聞いてくださいね。
そのエックスは何かというと、何でもいいんです。
というのも半農半X、自分が得意なこと、好きなこと、いまやってること・・・なんでもいいから半分農業と半分自分のエックスを組み合わせて生活していこうという考え方なんです。
ありそうで、ないような考え方じゃないですか?
ちょっとワクワクしましたか?
今回はその半農半Xの提唱者である塩見直紀さんと、MACHI LOGとで半 塩見直紀 半MACHI LOGなイベントを開催したのでレポートしたいと思います。
みんなに伝えたい塩見さんの思い
はじめは塩見さんから活動のプレゼンを行っていただきました。
幾つか印象的だった言葉があったので抜粋してシェアします。
1. 事業を残すより、心を残す
塩見さんが半農半Xを提唱し始めたのは20年前。
「事業を残すより心をのこす」
モノがあふれる時代にモノを残すのではなく、人を活かした街にしたいと考えていたそうです。
そんな塩見さんは半農半Xを営む故郷、京都府綾部市の街を人生を探求する青年とそこらへんのおっさんがコーヒーを飲んでるような、道端の畑にいるおばちゃんからあるようなないような助言をもらって人生の方向性を決めるような、そんな人生探求のメッカに綾部の街をしたいと語ります。
事業とかモノではなく、「人」が大事な時代に考えさせられます。
2. 半農以外ではここまで考えが広まらなかっただろう
現在、日本だけでなく韓国、台湾、中国でも書籍を発売し徐々に考え方が広まっています。
むしろ、海外のほうが広まっているそうです。
そんな中で20年間「半農半X」が伝播し続けている理由を
「生き死にに関わる農という問題だからここまで続けてこれたと思う。例えば半林半Xではここまでならなかっただろう」と語っています。
3. パンとサーカスがあると人間は滅びる、なら逆を行けばいい!
人間はパン(食事)とサーカス(娯楽)への欲求で滅びると言われています。
かのローマ帝国も国民に無料でパンをくばり、タダでパンを貰える国民はサーカスという娯楽を始めます。
責任と義務を放棄した国民は権利だけを主張するようになり、国は廃れ滅びていった・・・
それならその逆を行けば栄えるだろうと考えられたのが「半農半X」です。
自分で農耕をして食べるものを作り、自分の出来ることXで働いて生活する。
「一人ひとりが自分のxを見つけ自立して生活することが大事」とお話されていました。
4. 半農半Xのコンセプト、最大の意味は方向性の決定
半農半Xのエックスはなんでも良いとはじめに書きました。
その裏返しとして、考え方としては、「方向性をコレ!」と決めつけなくてもいいそうです。
半農半Xの「たね」を高く、沢山、根を広く根源を巻くように、自分のエックスをみつけて行けばいいということだそうです。
ワークショップではXが様々登場
塩見さんのワークショップでは「自分のエックスは何か」を考える、農と組み合わせて何をして自分は生きていくかを考えるワークショップになります。
普段から思っていても、言葉や文章に出さない仕切れていない、心の中にあることを外に出していきます。
参加者のかたの声をご紹介します。
「アウトプットの場で議論が盛り上がり、チームの半分しか話せなかったところもありましたが、自分で自分の深掘りをするこの時間がすごく楽しかったです。この深掘りをするように自分のXを楽しみたい」
とおっしゃっていました。
言語化して、今から行動して明日からでも修正していく
最後に塩見さんから、「強制的に書きだしてアウトプットするのはワークの最良の形。今日言語化した所を、書いただけでなく自分の中で修正して行動して行って欲しい」という言葉があり、会を締めくくりました。
地方で生活するなかで絶対必要な考え方
僕自身、宮崎で兼業農家をしていますが、これからきっと農家は時代の流れに乗れる農家と乗れない農家に別れます。
僕の家は乗れない農家。
だから自分で時代を作る農家にならないといけないと感じています。
そんな「時代をつくる農家」が増えると面白いですね。
そんなコトを個人的に考えたイベントでした。
宮崎県高千穂町の農家✕公務員✕ブロガー。ローカルメディア宮崎テゲテゲ通信、通称「テゲツー!」の編集長。
使命は「地元を再認識するメディアを創る」事。アニオタ。