筆者の母校は秋田の県庁所在地、秋田市にあります。
秋田市は、秋田県でいちばんの都会です。 ですが、この学校には、「都会」らしからぬちょっと変わった決まりがありました。
ニホンカモシカを見た者は教職員に報告すること。
ニホンカモシカと一緒に通学?天然記念物に会える秋田
その校舎のすぐ裏手は、ちょっとした山でした。
そこには当時、何組かのニホンカモシカのつがいが生息していて、時折グラウンドや通学路に現れるのです。
全校集会などではたびたび、ニホンカモシカを見つけても近づいてはいけない、と注意喚起がありました。
秋田では、ニホンカモシカと一緒に通学?
とはいえ、中学生。
近くにいれば気になって様子を見に行くぐらいはしたものです。逃げられないように、こっそり、こっそり、近づいて・・・
観察しようとしたら、なんと向こうから近づいてきて慌てて距離を取ったことも。そう、ニホンカモシカは好奇心旺盛な動物なのです。
わたしたち人間にも興味があるようで、並んで歩いて通学したこともあるほど。とても穏やかで、わたしたち生徒を攻撃することはありませんでした。
カモシカを発見した場合
カモシカは人を襲わない動物なので、必要以上に接近せずしばらく様子を見守ってください。帰巣本能があるので山に帰っていきます。また、幼ないカモシカを発見した場合、周辺に母親カモシカが見守っており人間を威嚇することもあるため近づかないようにしてください。
□出典:秋田市 - 文化振興室
天然記念物、ニホンカモシカとの共生
秋田県内の各地で目撃されている彼らは、時に田畑の食物を食べてしまうこともあります。
悠然としたふるまいは、まるで自分たちが天然記念物として保護されていることを知っているかのよう。天然記念物ですから、どんなに被害があっても、彼らを撃つことはできません。農家にとっては悩みの種でもあります。
とはいえ、いまわたしたち人間が暮らしている場所の多くは、もとは彼ら野生動物のすみか。わたしたちにとっても、彼らにとっても、生きやすい暮らし方を模索していきたいですね。
帰秋を切望しながらも都内で働く社会人3年目。大曲の花火について語らせると小一時間はとまらない。最近の趣味は秋田の母がつくった作品の広報・売子。1990年生まれ。秋田市出身。Twitter:@fmk424