鳥取県米子市と南部町間を走っていた「法勝寺鉄道(ほっしょうじでんてつせん)」。
1924年(大正13年)に開業し、廃止となる1967年まで営業されていました。
この路線を支えた電車で1922年に国内で製造された「デハ201形203号電動客車」の修復が終わり、南部町の公民館さいはく分館駐車場に新設された施設で展示が始まりました。
大正時代の足を支えたレトロ車両
image by ja.wikipedia.org復元された車両は、法勝寺鉄道の車両で現存する2両のうちの1両です。
当時は、通勤・通学の電車として活躍していました。
路線が廃止された後、同町内の小学校で屋外展示され続けていましたが、風雨での損傷や、窓ガラスが割れるなど劣化が深刻化していました。
そんな中、2011年に県文化財に指定されたことをきっかけに、町が修復を計画し、実行されました。
2012年から修復を開始し、この度、無事完了しお披露目となりました。
南部町のシンボルに
修復された車両は、外装の肌色と青色のツートンカラーがレトロな面影を伝える車体となっており、内装の取り換えやなどが行われています。
鉄製の網棚や運転台などはそのまま残され、塗装を新しくすることで現役当時の様相を取り戻しています。
車両は、新設される「法勝寺電車ひろば」に展示されています。
12月12日には、「おかえりなさい!法勝寺電車」と題されたイベントが開催予定です。
修復の総事業費は約6000万円で、新しい町のシンボルとなることが期待されます。