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祝!シェアビレッジがグッドデザイン賞ベスト100を受賞-秋田

祝!シェアビレッジがグッドデザイン賞ベスト100を受賞-秋田

    CATEGORY:移住 AREA:秋田県

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「年貢を納めて村民になろう!」

このフレーズをネットやTVで見たことがありますか? 今、新しい田舎暮らしのカタチが、話題を集めています。

それを実現する取り組みが、「シェアビレッジ」プロジェクト。2015年度グッドデザイン賞ベスト100にも選出されました。

シェアビレッジがグッドデザイン賞を受賞

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田舎暮らしに憧れる人、故郷を懐かしむ人は、都市部にたくさんいます。その一方で、地方では過疎化が進み、人不足・資金不足で維持できずに消えていく古民家があります。

「シェアビレッジ」は、都市部のニーズと地方の課題という2つを結び付け、新しい田舎暮らしのカタチを掲げ、これまでの村の概念をひっくり返すプロジェクトです。

「村があるから村民がいるのではなく、村民がいるから村ができる」という考えのもと、消滅の危機にある古民家を村に見立てて再生させていきます。多くの人で1つの家を支える仕組みをもって、全国の古民家を村に変えていきながら、一度村民になったらどの村にも訪れて田舎暮らし体験をすることができます。

□出典:Good Design Award

様々な社会課題の抱え、多くの地方が迎えるであろう苦しい状況を突き進む秋田県から、全国・世界へ向けて挑戦が始まっています。

100万人の村をつくる

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「シェアビレッジ」には、壮大な志があります。

本プロジェクトは、秋田県五城目町にある古民家を「村」に見立て、維持していくところから始まっていますが、それがゴールではありません。それが、今回の審査でも評価されていました。

実際の古民家の再生、保全、運用、地域の活性など複合的なメリットを生み出している点や、クラウドファンディングを利用し大きな負担を一カ所に集めず、全国1000軒=100万人の村づくりという明確な目標設定もとても興味深い。

□出典:Good Design Award

これから、「シェアビレッジ」プロジェクトは、全国各地の維持が難しくなった古民家を「村」へと変えていきます。そして、この新たな仕組みで、都市部と地方の交流を生み出そうとしています。

人を惹きつけたネーミング

スクリーンショット 2015-09-30 08.10.50Makuake(マクアケ)

「シェアビレッジ」プロジェクトは、最初の資金をクラウドファンディングを活用して集めています。この活動は、単なる資金集めではありません。

実際、この活動によって多くの方から共感を得て、目標金額1,000,000円を大きく上回る、5,717,000円という支援を得るに至っています。それを支えた1つの要因として、ネーミングが挙げられます。

「年貢を納めて村民になろう!」というコンセプトのもとネーミングに徹底的にこだわりました。 年会費のことを「年貢」と呼び、年貢(年会費)3000円を納めたら誰でも村民(会員)になれます。 村に行けなくても毎月都市部で開催する村民限定の定期飲み会「寄合」では村について語り合う機会もあります。 村民同士が仲良くなって村を訪れる「里帰」というツアーや、年に一度の村祭り「一揆」も開催します。 田舎に興味がない人も田舎に興味はあるけど田舎がない人、田舎暮らしを体験したことのない若者たちにワクワクしながら田舎を楽しんでもらいたいと思っています。

□出典:Good Design Award

□年会費:年貢
□会員:村民
□飲み会:寄合
□村を訪れる:里帰
□村祭り:一揆

見た人が分かりやすく共感できるコンセプト。そして、それを体現するネーミングが、人の心を動かした素晴らしい事例です。

恐らく、表面的なネーミングでは、このような結果を出すのは難しいでしょう。社会のニーズと課題を理解し、それを解決するためのコンセプトメイキングを行い、徹底的にこだわることが重要です。

「行く」から「住む」へ

「シェアビレッジ」プロジェクトによって生まれた都市部と地方の交流の先には、移住という大きなテーマも存在しています。

まずは、村民になることをきっかけとして、地方にある村を訪れる「里帰」を行い、その地域の魅力に触れてもらう機会を創出します。それを繰り返すことで、移住へ繋がる可能性を模索しています。

実際、本プロジェクトを起点として、秋田県五城目町への移住者が生まれました。「シェアビレッジ」は、更なる可能性とワクワクを秘めているプロジェクトです。

最後に:まだ年貢納めてないの?

私も、村民の1人です。

「まだ、年貢納めてないの?」をキャッチフレーズに、全国で村民が拡大し、ついに1000人を超えました。

これを機に、みなさんも村民になることを検討してみてはいかがでしょう?

そろそろ、年貢の納め時ですよ。

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