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国内初、イヌワシ繁殖の認定。絶滅危惧種を守れ-秋田/大森山動物園

国内初、イヌワシ繁殖の認定。絶滅危惧種を守れ-秋田/大森山動物園

    CATEGORY: AREA:秋田県

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環境省が公表している絶滅危惧種は、3000種を超えます。

その中の1つが、ニホンイヌワシ。

秋田県には、ニホンイヌワシの保全に力を入れている動物園があります。秋田市にある大森山動物園です。

大森山動物園:国内初、イヌワシ繁殖の認定地

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今回、その取り組みが評価され、ニホンイヌワシの保護増殖について環境省から確認証を授与することになり、大森山動物園は、日本国内で唯一の認定地となります。(2015年9月時点)

絶滅危惧種「ニホンイヌワシ」の保全に向けた繁殖や普及啓発の取り組みが、国の保護増殖計画に適合しているとして、大森山動物園(秋田市、小松守園長)に来月3日、環境省から確認証が授与されることになった。
国の“お墨付き”を得ることで、繁殖したイヌワシを他の飼育施設に譲渡する際の手続きなどが容易になり、保全体制が強化されるという。

□出典:さきがけonTheWeb

今回、国からの認定を受けたことにより、大森山動物園の注目度はますます高まっていくでしょう。

繁殖基地が目指す、野生復帰

同園では現在、8羽のイヌワシを飼育。このうちペア2組(計4羽)がほぼ毎年繁殖し続けている。国内で飼育されているイヌワシ40羽(昨年末時点)のうち4割に当たる16羽は「大森山産」で、同園は飼育下での繁殖基地となっている。

□出典:さきがけonTheWeb

国内の40%が、大森山動物園で繁殖されているというのは、スゴい事実ですね。今回の認定を受け、ニホンイヌワシの繁殖と他の施設への譲渡が、ますます増えていくでしょう。

そして、大森山動物園が更にスゴいのは、ニホンイヌワシを繁殖するだけでなく、野生復帰を目指している点です。今回、その事業計画が環境省から認定を受けました。

野生のニホンイヌワシ

現在、日本におけるイヌワシの推定生息数は、 150~200ペア(推定未登録ペアを含む)と単独個体を合わせた約500羽と言われています。 しかも多くの生息地は近年の大規模な開発、森林伐採、単一樹種による大規模な植林などにより大きく変化してきています。 そのためイヌワシの食物となる動物であるノウサギやヤマドリの減少を招きました。 さらに密猟や環境汚染物質の影響などによって、イヌワシは絶滅の危機に追いつめられています。

□出典:日本イヌワシ研究会

日本国内には、野生のニホンイヌワシも存在しています。しかし、ほとんど繁殖行動が行われていません。この状況を考えると、大森山動物園の存在が非常に重要であると推察されます。

最後に:まずは啓発活動

まずは、ニホンイヌワシに関する啓発活動が必要でしょう。

今回ご紹介した大森山動物園がある秋田県内の人たちですら、このような状況や大森山動物園の取り組みについて理解している人は、非常に少ないと思います。

今後更に、大森山動物園は重要な役割を担っていくことになります。秋田県民、みんなの力を合わせれば、社会にとってより価値の高い成果を出せるでしょう。是非、挑戦を始めましょう。