秋田県人は、塩分を摂り過ぎ。つまり、しょっぺの食い過ぎなのです。
しょっぺ:しょっぱい、塩気が強い
秋田県人、しょっぺの食い過ぎ問題
まず、しょっぺのを食い過ぎる秋田県人は、漬物が大好き。
人の家にお邪魔すると、最初にお茶と漬物が出されます。お茶菓子も出されますが、デフォルトは漬物です。
近所のばあちゃんが集まっても、集落の寄り合いでも、運動会などの学校行事でも、結婚の挨拶に行った時でも、自分の家で漬けたり、買ったりした漬物でおもてなし。
そして、基本的に料理全般、濃い味です。ぼだっこ(紅塩鮭)だって、焼いたら塩が出て白くなるぐらいのものを好んで食べる家庭が多いです。
タニタ食堂ですら、秋田で苦戦
そんな秋田に、都内で大人気を誇った「タニタ食堂」が出店しました。しかし、あのタニタ食堂でも、客足が伸びず、大苦戦。その原因の1つとして、味付けが考えられます。
「薄味や食材の硬さが秋田の人に合わない面があったのかもしれない」と鈴木蘭子店長は分析する。開店当初から「素材の味が分かる」という声の一方で、年配客を中心に「味が薄い」「硬くて食べられない」などの指摘があった。
□出典:嗜好合わず?あきたタニタ食堂に辛口評価 | 河北新報オンラインニュース
そもそも、顧客ニーズの問題では? 秋田県人に、「食生活を変えてまで健康になりたい。」という、強い健康志向があるのでしょうか?
実際、秋田県人は意識せず、普段の生活の中で塩分を摂り過ぎています。
秋田県の食塩摂取量(成人)は、11.1g(平成23年度県民健康・栄養調査)で、全国平均の10.4gより高くなっています。(中略)国では、1日の食塩摂取量の目標を成人男性で9g未満、成人女性で7.5g未満としています。(日本人の食事摂取基準2010)
□出典:あなたの食塩摂取量を計算してみましょう! | 秋田県公式Webサイト 美の国あきたネット
この「しょっぺの食い過ぎる」生活が、秋田県人の健康に悪影響を与えている可能性があります。
がん・脳卒中の死亡率1位の秋田県
厚労省が発表した「2013年人口動態統計」によると、人口10万人に対する「がん死亡率・脳血管疾患死亡率」の都道府県ランキングは以下の通りです。
<がん死亡率>
1位:秋田 392.8
2位:青森 369.7
3位:島根 367.6
<脳血管疾患死亡率>
1位:秋田 162.8
2位:岩手 160.9
3位:山形 152.1
秋田県は、両方で1位になっています。この原因として、塩分の摂り過ぎと井戸水が挙げられると、秋田大学大学院医学系研究科の金子善博准教授は伝えています。
高齢化だけでなく食生活や生活環境が関係しています。脳卒中はいまだに高血圧が多いことが要因。また、秋田県はがんでは胃がんが非常に多い。高血圧も胃がんも、塩分の濃い食べ物を多く摂る地域に多い。胃がんについては、子供の頃に井戸水を使った人が多いことなどによるピロリ菌感染率が高いことも要因なのではと言われています。
□出典:がんなどの死亡率が高い秋田 「塩分摂取」「井戸水」も要因か│NEWSポストセブン
このような結果に対し、秋田県は県民の健康を改善しようと、様々な施策を講じています。
食塩摂取量計算サイトを開設
このような秋田県民の食生活を改善しようと、秋田県健康福祉部健康推進課は、特設サイトを開設しています。
まずは、1日の塩分摂取量を計算し、毎日1gの減塩から始めようと訴えています。
サイト上では、食べた料理を選択すると、簡単に摂取した塩分とカロリーを自動計算してくれる「食塩摂取量計算」や減塩するためのアドバイスをくれる「減塩チェック」などを公開しています。
このサイトは、2013年4月に公開されていますが、みなさん知っていましたか?
最後に:食も文化
元々、塩漬けは長期間貯蔵するための保存食。そのような食文化は、地域の気候に順応して生活するため、先人たちが生み出した知恵であり、文化です。
健康を考えることも大切ですが、食という文化を守ることも大切。バランスを考えながら、次世代へ文化を受け継いでいきましょう。