世界一の瀬戸内海で、アートが紡ぐ人々の想いの循環

小豆島町では、「小豆島アーティスト・イン・レジデンス(小豆島AIR)」と呼ばれる、蒲野地区の小豆島芸術家村を拠点とする、若手芸術家の創作活動を支援するとともに、地域の人々との交流を通じて、文化芸術による地域の活性化を目的とした取り組みを行っています。若手芸術家たちがアートを通じてどう地域と関わっていくのでしょうか。


安心して創作活動ができる環境を

「小豆島アーティスト・イン・レジデンス(小豆島AIR)」は、蒲野地区の小豆島芸術家村を拠点とする若手芸術家の創作活動を支援するとともに、地域の人々との交流を通じて、文化芸術による地域の活性化を目的に、小豆島町で定期的に募集しているプロジェクトです。

芸術家は滞在中に、地域の文化、環境などからアイディアを得て、創作活動を行い、新たな作品を制作すること、また、創作活動とともに、その成果発表やアートーツアーやワークショップ等の地域との交流プログラムなどを積極的に行うことが条件となっています。

具体的には三カ月の滞在期間中に住居とアトリエの確保、また活動費も支給され、若手芸術家達が創作活動に安心して集中できる環境を提供しています。

安心して作品づくりに没頭できる!

9月1日からAIRに参加している三宅良子さんにお話をうかがいました。三宅さんは、石彫や様々な素材によるインスタレーションの制作や「大塚かぐや姫プロジェクト」という荒れ放題の竹林から素材を見つけ出し、作品を作るプロジェクトにも参加されています。

小豆島では人々とのコミュニケーションや風土の中で感じたもの、発見したものを形にしていきたい、という希望を持って来られ、島を散策し、自然のなかから集めた素材を組み合わせたり、編みこんだりしたタペストリーのワークショップ等も展開していく予定だそうです。

若手のアーティスト達が欲しているのは創作活動ができる「場」である、と三宅さんはおっしゃいます。そして、気軽に「あ、これ使っていいよ」、「これ持ってっていいよ」等周りの理解がある環境があれば、本当に安心して作品に集中ができるそうです。

そういう意味で、もともと芸術家が多く滞在し、人々の意識も高い小豆島町の環境は、若手のアーティストにとっては非常に魅力的であり、「安心して作品づくりに没頭できる」環境であるようです。

一方で、こうした情報がなかなか手に入れられないという現状もあるようです。大学などに所属している場合は、若手のアーティストを受け入れる自治体等の情報を手に入れることは比較的容易だけれども、フリーであったりする場合にはなかなか自らが意識してアクセスしていかないと難しいようです。受け入れる側の発信力、発信の仕方というものも今後さらに検討をしなければならない課題です。

アートが紡ぐ人々の想いの循環

小豆島AIRプロジェクトは「アートが紡ぐ人々の想いの循環」を生み出す仕組みといえるでしょう。若手のアーティスト達はこの島で得たものを活かして、次のステップへと進んでいきます。そのとき、島で感じた創作への想い、また人々や自然から得た感謝や想いをもっていくでしょう。それは生涯忘れることのない想いであると思います。一方彼らを支える町の人たちもそんな彼らを誇りに思い、応援し続けるでしょう。それがまた新しいアーティストを受け入れる素地となり、また、育ち、巣立っていく…。そんな「人々の想いの循環」が、小豆島で始まっています。

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