67.3%が空き家に住みたいと回答。国も支援するDIYの古民家リノベーション

地方移住への関心が高まる中で、地方で暮らす際の住居についても注目が集まっています。

田舎暮らしやUIJターンを支援するNPO法人ふるさと回帰支援センターが発表しているデータによると、地方移住を検討している人の65.2%が賃貸での物件契約を希望しており、希望物件は、空き家が67.3%と2位のアパート(30.0%)の2倍以上となっています。

つまり移住者のニーズは、「賃貸・戸建て空き家」というわけです。

地方の空き家は課題が多い

移住者にとって空き家ニーズが高い一方で、所有者にとっては不安な面も大きいのが事実です。

例えば、知らない人に空き家を提供する不安や、賃貸するために必要なリフォーム費用の工面、賃貸契約をそもそもどのようにすればよいのかという手続きの問題などが上げられます。

また移住者側も、実際に移住してみないと現地の様子が分からなかったり、馴染めるかどうかといった暮らすに対する不安があるでしょう。

DIYによるコミュニティづくり

茨城県水戸ではクラウドファンディングの取り組み *写真faavoウェブサイトより


移住者(借り主)と貸主の不安を解消し、地域とのコミュニティ形成を行おうという取り組みがあります。それが茨城県県北地域で企画されている空き家をリノベーションする「建築楽団」です。

空き家に関係する、自治体・貸主・士業(権利関係などの処理)のハブになり、空き家の利活用を進めていこうという取り組みです。

具体的な内容としては、空き家の貸出・売り出し等のサポートで、住宅の状況を調査し、どのように利用するのかの提案、そして入居者の募集やイベント企画を行なうというものです。

特に、DIYを行なうイベントを企画をすることがユニークで、例えば、解体ワークショップや、塗り壁ワークショップなど、空き家をDIYする過程をイベント化し、地域とのコミュニティをつくっていくとしています。

入居者のリフォームを国も推進「DIYの賃貸」

実は、空き家の利活用は国も積極的に進めていこうとしており、2014年に「借主負担DIYの賃貸借」ガイドラインが発表されています。

賃貸物件に借主が手を加えることを認め、リフォームやリノベーションをやりやすくしたものです。

この制度が整備された背景は、空き家が年々増え続ける中で、原状復帰の必要性など既存の賃貸契約がマッチしなかったことが上げられます。そこで、貸主の貸すための準備にかかる時間やお金の不安と、借り主の自分らしい家に暮らしたいという要望をマッチさせた結果が、「DIYの賃貸」というわけです。

観光客も泊まりたい古民家

実は古民家は、潜在的な宿泊ニーズがあることがわかっています。訪日外国人に宿泊意向をアンケートしたところ、古民家などに泊まりたいと回答した割合が29.2%にのぼっています。

訪日外国人旅行者の人数(2014年時点=約13,413万人)とかけ合わせると、約391万人となります。

このように考えると、古民家を活用したゲストハウス等の宿泊施設や、カフェ等の飲食店なども、大きなポテンシャルを秘めていることがわかります。

自由な住まいと地域の活性化の両立

地方への移住ニーズが高まる中で、自分らしく暮らしたいという機運も高まっています。それを実現するひとつの手段が、自分の暮らしたい家に暮らすということでしょう。

ひとりでは実現が難しかったことも、地域とのハブになる組織の登場や、手続きをサポートする機能も整いつつあります。

空き家を利活用することは、貸し手と借り手にとって良いだけでなく、地域の景観維持や、地域経済の活性化にも寄与するものです。

今後も多くの新しい事例が生まれることで、さらに利活用が進むという好循環が生まれることが期待されます。

参考文献:
株式会社日本政策投資銀行地域企画部「古民家の活用に伴う経済的価値創出がもたらす地域活性化」
NPOふるさと回帰センター「地方移住の現代的意義」

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