秋田県に来て得た、「地元が好き!」と笑顔で言える若者を増やす生き方

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ご当地グルメでまちおこしの祭典!第4回B-1グランプリin 横手でゴールドグランプリを受賞した「横手やきそば暖簾会」。
その「ご当地グルメ横手やきそば」を提供すると共に、秋田県横手市の魅力発信・PRを行う団体「横手やきそばサンライ’S」の代表を務めるのは、東京出身の女性だ。

彼女の本業は、デザイナー。しかし、多くの時間を、横手市を元気にする複数の団体のボランティア活動や地元FM放送のパーソナリティなどに充てている。

結婚を機に東京から秋田へ移住し、地元民と共に地域の魅力を伝え続ける、田畑 晃子さんにお話を伺った。

28歳で迎えた転機、自分の芯を持ちたい

離婚を経験し、28歳の時に改めて立ち止まり、自分に何も無いという想いにかられました。東京でOLとして働きながらも、自分の中にしっかりとした芯が欲しいと強く思うようになりました。

「自分は、何のために生まれてきたのだろう?」
「自分は、何でここにいるのだろう?」

これからどうしていこうかと考える中で芽生えたのが、「自分はパソコンが好き、Macに触りたい。」という好奇心でした。そこで、以前から知っていたデザイナーさんに相談しました。

「自分は28歳だけど、今からでもデザイナーになれるのかなあ?」

そこから、デザイナーとしての道を歩み始めました。そしてその後、秋田出身の方との結婚を機に秋田へ移住しました。

「Twitterって何?」から始まった、ヨコッターで街おこし!

ヨコッター(yokotter)

秋田に移住し、デザイナーとして活動をしていた時、ヨコッター※ の代表の細谷さんと設立メンバーの高橋さんから「Twitterで、街おこしをしたいので手伝って欲しい。」というお誘いを受けました。当時、Twitter自体もよく知りませんでしたし、最初は断っていました。

「まず、やってみでけれ。とりあえず、ホームページ作ってけれ。出世払いだけど。」

と、何度もお願いをされ、特に高橋さんは、デザイナーとして仕事をしたことがある大切な仲間でしたので、その真剣な熱意に負け、そこまで言うならと参加しました。

このヨコッターとの出会いが、自分の人生を大きく変えていくきっかけになったと思います。本当に何も知りませんでしたので、「Twitterって何だろう?」と調べていく内に、周囲の熱意とその可能性に自分が、”はまっていっている”のを感じました。

※ヨコッター:
Twitterを活用し、秋田県横手市の街おこしを実現しようという活動です。県内外在住問わず、横手市出身者を中心に、Twitterで「#yokote」と付けてツイートすることで、横手に関する様々な情報交換や人々の交流を実現しています。現在では、FacebookなどのSNSも活用し、コミュニティスペースなどの運営もしています。

ヨコッターの活動で生まれた、郷土愛を応援したい気持ち

ミニかまくら

当時、ヨコッターという活動は、とても環境に恵まれていたと思います。ちょうど都市部で、Twitterの利用者が増え始めていて、県外に住む横手市出身の人たちの応援が力になりました。

この時、元々感じていたあることがより明確になってきました。

「東京出身の自分が持ってる郷土愛と、横手出身の方や秋田出身の方が持っている郷土愛は違う。普段は、『どうして、こんな田舎に来たの?』と地元を卑下するような言い方をするのに、酔っぱらうと道の真ん中で、『横手、好きだ!』と叫んだりする。実は、すごい郷土愛を心の内に持っているんだなあ。」

なぜ、普段それを表に出して、口に出して伝えないのか?私は、それを勿体無いと感じました。

Twitterという環境が、その想いを表に出すきっかけを作ってくれました。その時、若い子たちが、自然と自分の想いを言いやすいTwitterで、「横手が好き!」という素直な想いを表現できるところを見て、ここに根付いている郷土愛に対して、憧れを感じ、うらやましいと思いました。

そして、若い子たちがもっと自分の郷土愛を表に出すための環境づくりをお手伝いできたらいいなあと思い始めました。

「横手やきそば」を通じて得た、更なる大切な仲間

横手やきそば:横手やきそばサンライ'S

B-1グランプリに出展し、横手やきそばを提供しながら、横手市をPRしていた「横手やきそば暖簾会」。地元で横手やきそばを提供している店舗が中心となり、そこに市民ボランティアが協力し、「横手やきそば」で儲けたいのではなく、「横手やきそば」を通じて、横手市をPRしたいと強く想っている団体です。

「この想いを共有できる人に手伝って欲しい。」という要望から、ヨコッターをやっている関係上、神奈川県厚木市で開催されたB-1グランプリに、初めて同行しました。その時は、ヨコッターで培ったノウハウを活かし、Ustreamの生放送とTwitterのつぶやきで、B-1グランプリの様子をネット配信するための中継班的な立場で参加しました。

そこで触れた暖簾会の方々の熱い気持ちに刺激され、その後も様々なイベントやまちおこし活動に参加するようになりました。その活動をする中で、もっともっと市民を巻込み「まちおこし活動」を広げるため、団体名を「横手やきそばサンライ’S」という一般市民が主導する団体に変更いたしました。

今では仲間に支えられ、団体の代表として参加しています。テーマ「横手市を元気に!」を目指し、今後も活動してまいります。

遠く離れた地で、良い仲間に恵まれた幸運

横手市フォーチュンクッキー

今でも正直、本気で喋られると、秋田弁は分かりません。田舎は良くも悪くも、仲間意識が強いと思いますが、その良い面で、少しでも秋田弁を使って喋ろうとすると、「都会の人が秋田弁使ってー。」と言いながらも、すごく親切に秋田弁を教えてくれます。

私の場合は、最初に自分から「東京から来て、言葉分からないんです。」と正直言いました。自分から、一歩踏み込むと、本当に親身になって、すごく優しくしてくれました。

「大丈夫だ。俺が、私が、守ってやる。心配するなー。」

そういう人たちに、私は助けられました。そういう良い縁、良い方々に恵まれ、人の輪が広がっていきました。秋田は、コミュニティが狭い分、繋がるとまた更に次へ繋がっていきます。「この人、東京から来たがら、言葉分がらねえけど、いい人だがらよろしぐ頼む。」とイイ人がイイ人を紹介してくれ、本当に良い仲間に恵まれたと思います。

横手を元気にしたいのは、地元の若い人たちの笑顔が見たいから

横手音フェス

色々な活動に参加はしていますが、私自身、実は先頭に立っていくタイプではないんです。

それでも、色んな活動を続けている根底にあるのは、10代・20代・30代の地元に住む若い子たちが笑顔で、「楽しかった!またやりたい!」という声を聞けるからだと思います。

折角住んでいるんだから、横手にいること、秋田にいることを楽しいと思って欲しい。笑顔になって欲しい。誇りに思って欲しい。私の原動力は、彼らの「笑顔が見たい。」この一言で説明できるんだと思います。

だから、そういう笑顔になれる活動を応援したい。それに私自身も、住むのであれば「笑顔が溢れて、暮らしていて楽しい場所」にしたいと思います。実際、横手で暮らすのは、楽しいですよ。

できない理由を並べるのではなく、できる方法を探したい

私も、自分の仕事を行う上で、色んな壁はあります。仕事以外の今までお話しした活動でも、色々な壁はあると思うのですが、自分としては「壁」として意識したことは正直あまりありません。

「できない理由を並べるのではなくて、できる方法を探したい。」

一つひとつに対して、結果を求めたいと思っています。ゴールに向かっていて、もし道が閉ざされていたら、別の道を探し続けます。そして、幸運にも自分の周りには、そういう仲間が多いんです。

また、元々がデザイナーだからかもしれませんが、「みんなの声や想いを、誰に、どのように届けるか」ということを常に意識していますし、自分の考えには責任を持ちたいです。

だからこそ、「想いを伝える」という部分を大切にしたいです。「伝えたい想いが折角あるんだから、どうせならちゃんと伝えよう。そして、一緒に実現しよう!」と思います。

口に出して伝えることで、助言を貰える仲間に出会える

雪よせ大会

よく若い子からの相談を受けて言うのは、「色んなところで、その想いを、やりたいことを口に出して言ってごらん。」ということです。

馬鹿にされる時もあるし、全然相手にされないこともあるけど、それでも言い続ける。自分の中だけで、悶々とすると、そこで止まってしまう。口に出して伝え続ければ、色んなアドバイスを貰えるかもしれないし、共感してくれる仲間ができるかもしれない。

仮にそれ自体が実現しなくても、「やりたい!」と言ったアイディアと別のアイディアを組み合わせたり、要素を取り出して再構成したり、絶対に無駄になることは無いと思います。やっぱり、伝えるということは、とても大切だと思います。

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