PR for アグリビジネススクール(宮崎県)
「稼ぐ農業ビジネス」がテーマの新規就農希望者を対象とした連続講座「アグリビジネススクール」の第4回目となる講座が開催されました。
アグリビジネススクールは、「農業やるなら宮崎県!」を合言葉に、宮崎県と民間企業とNPO法人が連携し実施している新規就農・移住定住促進の取り組みです。
宮崎県の農業の最前線からゲストが登壇
この講座の特徴は、宮崎県の農家さんら、農業分野の最前線で活躍されている方をゲストに招き、講演と参加者との交流があることです。
今回の講座は、宮崎県高千穂町からゲストを招き、開催されました。
中山間地域の複合型農業
宮崎県高千穂町は、天岩戸神社や神楽など、宮崎県内でもひときわ神話伝承等で有名な土地です。
農業に目を向けてみると、中山間地域であり棚田などの制約もあるため、大規模農業ではなく、小さい規模で最適化された農業が行われている地域でもあります。
世界農業遺産に認定「高千穂郷・椎葉山地域」
高千穂の農業の特徴は、複数の農作物を年間を通じて手がけ、平行して牛を育てたり、林業を行ったりと、その複合された農業に特徴があります。
そのユニークさが認められ、「世界農業遺産」に認定されています。
中山間で農業の魅力を伝える実践者
今回のゲストは、高千穂町で農業を営む佐藤公也さん。
日本棚田100選に選ばれた美しい棚田の圃場でピーマンを栽培し、高千穂牛を育て、米を作るという、高千穂地域の特徴を活かしながら、年間を通じて複数の農業をおこない暮らしています。
「農家は素晴らしい」と断言する佐藤さん。農業の魅力を語っていただきました。
「自分で決めること」が農家の魅力
もともとサラリーマンとして働いていた佐藤さんは、早期退職して農家へ。もともと農業関係だった仕事でもあり、「いつかは自分で」という思いがかたちになったといいます。
農家の魅力を「農家は毎日が土日だ」と笑います。
農家の魅力の1つは、自分で決められるということです。今日やること、明日やること、それらを自分で決めて、仕事します。
ずっと何かをやっているというイメージもあるかもしれませんが、逆にいえば、自分で決められるということです。それが農家の魅力。
高千穂は一見不利な地域に見えますが、有利な面もあると指摘します。
高千穂は、中山間地域で一見農業に向かなそうに見えますが、高地という気候を活かし、夏野菜を中心に、市場に早く出せたり、遅くまで出せたりという特徴があります。
野菜の価格が一番安くなる時期を避けることで、高値での取り引きも可能です。
また高千穂は、地域での農業機器の貸し借りなどもあり、お互いに支え合いながら、持続可能な農業を行っていくという土台ができているそうです。
新規就農の始めの一歩。1番大事な心構え
若手への農業指導も行う佐藤さんは、新規就農においていちばん大事なことを、「やりたいことをやること」だと語ります。
やりたくないものをやろうとしてもうまくいかないし、続きません。いちばん大事なことは「やりたいこと」をやることです。
そして、やりたいことを決めて、やりたいことができる場所で、やりたいことができる環境を整えていきましょう。
佐藤さんは、この順番が大事だと強調します。
農業は、その地域ごとに特徴があるため、やりたいことがどこでもできるとは限りません。
そこで、自分がやる気をもって、継続的に取り組めるようにするために、まずやりたいことを決め、それができる地域や環境を見つけたり、つくったりすることが大事だというわけです。
豊富な農業を支える仕組み
佐藤さんは「農業をやりたい」という人が増えていることについては、「良いこと」と言い、農業をどう始めれば良いかということに関しては、気軽に相談するのが良いと指摘します。
農業で生活していくことはできます。補助金等に頼るのではなくて、何をどこで作り、どう売るかということを計画し、進めていけば、農業ほど素晴らしいものはないと思っています。
よく、起業することと例えられたりしますが、農業は相談したり、支えてくれる人や仕組みが数多くあります。それも、農業を始める魅力でしょう。
佐藤さんが語る農業の魅力は、参加者もメモをとったり、ディスカッションしたりと活発な意見交換も行われました。
今回の「稼ぐ農業ビジネス」のポイントは、「やりたいことをやる」。ここから始めることで、持続可能な農業につながるといえるでしょう。