秋田は、秋田杉を激推し中。
太平山PAトイレに秋田杉を活用したり、新国立競技場に秋田杉を活用してもらおうと考えたり、かなり秋田杉をPRしています。
それは、こんな身近な部分にも表れています。
秋田杉を使ったベンチ寄贈
秋田市に、秋田杉を使ったベンチが寄贈されました。
秋田県森林組合連合会と農林中央金庫秋田支店は、秋田杉を使ったベンチ8台を秋田市に寄贈した。市民の身近な場所に置いてもらい、県産材の活用方法や魅力を伝える。市は6日から使用する市役所新庁舎の1階ロビーなどに設置する。
□出典:河北新報オンラインニュース
色々な場所で積極的に秋田杉を活用するのは良いと思います。
ところで、秋田杉の良さって何?
木材として、秋田杉を売っていくのであれば、秋田杉の良さ(=強み・魅力・価値)を明確にする必要があると思います。
事例から考えてみましょう。秋田県の北部にある大館市には、大館樹海ドームという建築物があります。
ドーム型をした日本最大の木造建築があります。野球の試合やイベントなどが行われるこのドームは、県内でとれた秋田杉で作られています。品質の良さで知られる、秋田杉。中でも天然の秋田杉は、ふしが少なくまっすぐです。木目が美しいため高い値段で売り買いされています。
□出典:NHK for School
木目が美しいというのは分かりました。品質の良さとは、何を意味しているのでしょうか?
「秋田杉」は、北国の厳しい冬を耐え抜いて生長するため、年輪の幅が細やかであり、そのため美しく均一な木目模様が生まれるのです。また明るい材色、艶、香りがハイグレードな住宅の内装材として好まれています。
そのうえ強度も高いため、構造材としての価値も高く、柱、梁、桁などにも利用されています。
□出典:協同組合 秋田県北木材センター
この良さは、普通のベンチで伝わるのでしょうか?
誰に、どんな価値を伝える?
もちろん、県内に住む人々の関心を高めるということも大切です。しかし、秋田県外の市場に向けて発信しないと、ビジネス的にはかなり厳しいでしょう。
また、ビジネス以外でも、秋田から日本・世界へ向けてできることはたくさんあります。
例えば今なら、熊本地震の避難所などに意見を聞いて、秋田杉を使ったベンチ・テーブル・イス・机などを被災地へ送ることができるかもしれません。東日本大震災の時は、同様な寄贈を受けて「安らぎ」や「元気」をもらったと感じた人たちもいたようです。
「相手が必要としているものを理解することが重要」という大前提のもと、「誰に、どんな価値を伝えるか」を更に追求する必要があると感じました。