「半農半X」という言葉を聞いたことがありますか。
田舎であっても、都会であっても、自分の暮らしに小さな「農」を取り入れて、そこに自分が本当に好きなこと、やりがいをもってできること、生きがいを掛けあわせて生きてみてはどうか。
2003年に出版された『半農半Xという生き方』で、初めて世に問われた思想です。
問うたのは、著者・塩見直紀さん。
台湾や中国でも翻訳され、イベントに呼ばれるなど、21世紀の思想として国内にも、海外にも少しずつ広がっている半農半X。
京都府綾部市在住の、塩見さんのもとを訪ねました。
半農半Xを実践しようとすると、当然ながら「自分のXとは何か」を考えなければいけません。
言い換えれば、半農半Xを考えることは、自分の天職やミッションについて考えることではないかと思います。
ということは、Xを見つけるヒントとは、自分を発見するヒントになるはず。
そう考え、「半農半X」への入り口となる3つのステップを訪ねました。
「半農半X」への3ステップ
1. 「自分のこと」を洗い出す
大好きなことと、天職の違いってわかりますか。
ある人が言うには、どんな困難が生じても続けられるのが天職で、途中でやめてしまうのが大好きなことだということらしいのです。
自分のXが、自分にあっているとするなら、何かあっても周りが応援してくれて続けさせてくれるものかと思っていて、私自身そうして今にいたっていると思います。
そこでまずは、洗い出すことが大事です。
「A to Z」というワークをやっていて、洗い出すのに使っています。
例えば、綾部市のA to Zと言えば、A=「合気道」発祥地、B=空き家バンク&定住促進課・・・というように、各アルファベットごとに項目を洗い出していきます。
2. 絞り込む
内容を絞っていくんですが、その時に、「1人1研究所」っていうのが良いんですよ。
「1人1研究所」というコンセプトを提唱していて、人は何か自分のテーマを研究するために生まれてきたと思っていて、自分の研究テーマを定めて、研究所名にすると、ブレずに生きていくことができると考えています。
ちなみに、私自身は、「半農半X研究所」です。
「やりたいことがいっぱいあるんです!」という人にこそ、どういう研究所名をつけたら良いと思うかと聞いています。
洗いだした中から、3つのキーワードを掛け算してみます。
ちょっとずつ見えてくると思います。
洗い出して、3種類のキーワードを見つけて、掛けあわせていく。
そして、3つのキーワードを掛け算して、言葉が生まれてきます。
その言葉が研究所名になるのも良いですね。
3. 変わっていって構わない
「半農半X」や「1人1研究所」でつくったものは変わっていって良いと思うし、変わっていくと思います。
そしてひとつだけで表現しようとしなくても良いと思っています。
私自身も半農半X研究所だけで表現できない部分もあって、「コンセプト for X」という屋号も作っています。
これは、誰かのXを見つける手伝いをする屋号です。
半農半Xだけで表現できなかった部分が補えていますね。
Xはいくつあっても良い
Xは必ずひとつでないといけないということはなくて、複数であって良いと思います。
複数のXの輪が重なるところが、本当にXかもしれません。
オススメは、Xを動詞で考えてみることですね。
「伝えること」、「教えること」のように出していくということです。
研究所も、やりたいことが多い人は、名前と総合研究所ってつけても良いかもしれません。
研究所名をつけるワークをすると、実に多様な研究所が生まれるんですよ。
研究所を作って、研究所の代表として小さなアクションをしていく人が増えると良いと思いますね。