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「この街に生まれてよかった」と思えるまちづくりを(1)| 大分県


小野仁志  大分市市議会議員  プロフィール
大分県大分市国分出身。15歳で陸上自衛隊に入隊、その後ワーキングホリデーでニュージーランドに滞在、パプアニューギニアでのボランティア活動、フリーターを経て、2009年に大分市市議会議員に初当選。
市民協働のまちづくりや市政のスポーツへの積極的な関わりなどの活動を精力的に展開される他にも、全国の超党派による若手議員等を中心に結成された、次世代へ素晴らしい日本を引き継ぐための政策を実現する活動である「龍馬プロジェクト」のメンバーとしても活躍されています。


「何かを変えたい」想いで市議会議員へ

― プロフィールを拝見すると、いろいろな経験をされている小野議員ですが、そのなかで、市議会議員という選択をされたのは、どのような想いがあったのでしょうか。

小野:ボランティア活動で滞在したパプアニューギニアで、貧困に苦しむ人々を目の当たりにした経験を経て日本に帰国したとき、日本は確かに豊かだけれども、これからはお金があるから幸せという時代ではないのでは、と感じたのと同時に、今の日本の現状に息苦しさも覚えました。
そこで、何か自分にできることはないか、何かを変えることができるのではないか、と考えて、市議会議員に立候補しました。
もし私みたいな組織も知名度もお金も無い若者が当選をすることができたなら、「あ、もしかしたらおれでも何かできるんじゃないか。」と思える若者がこれからたくさんでてきてくるのではないか、ということも考えていましたね。

自然に育まれた豊かな食に恵まれる大分市の食文化

― 大分市の魅力、大分市はここが素晴らしいというところをご紹介下さい。

小野:海・山・川の3点セットが織りなす雄大な自然と、美味しいごはんがたくさんあるところ。そして人がのんびりとしていて、過ごしやすいところです。
また、大分市を本拠地とするスポーツチームが4つもあります。これは全国探してもなかなかありません。スポーツが盛んで元気な街です。(大分には、大分トリニータ(サッカー)、大分三好ヴァイセアドラー(バレーボール)、バサジィ大分(フットサル)、大分ヒートデビルズ(バスケットボール)の4つのプロスポーツクラブがある。)


― 大分で、美味しいものというと、例えばどんなものがありますか?

小野:有名な関アジ・関サバ、後は今B級グルメの「クロメたこ焼き」が最近流行っていますね。クロメという海藻をたこ焼きソースに混ぜ込んだ粘り気のあるソースが特徴です。これも美味しいので、是非大分市にお越しの際は是非食べてみて下さい。

― 新しい食の取組み、面白いですね。

小野:実は私も今農家さんと一緒に取り組んでいるのですが、大分市の温暖な気候を活かしてマンゴーとかパパイヤといった「常夏の国のフルーツ」といったものをどんどん作っていければ面白いかな、と思っています。

小野:新しいものもありますが、郷土料理で「だご汁」というのもあります。味噌仕立ての汁の中にごぼう、にんじん、しめじ、豚肉などの具と、小麦粉を練ってそれを手で引き延ばした「だご(だんご)」を入れます。
元々「だご」は鮑(あわび)の腸だったのですが、不漁で鮑がとれなかったときに、戦国時代に大分の大名だった大友宗麟が代用として「だご」を入れてみたら非常に美味しかったので、民間にも広まったとも言われています。
その土地の特産や名物は非常に重要で、その土地のイメージがつくものであるし、それを食べたいが故にその土地の行きたくなる、という力がありますよね。でも「大分といえばこれ」、とみなさんがイメージできるものがなかなかまだ無いですよね。

― ただ美味しい、というだけでなくそこに「Story」があることで、人々は引き付けられるのではと思います。たくさんの美味しいものを大分市はもっていらっしゃるので、そこに「Story」をのせてみるのも一つの手かもしれませんね。

― 話は変わりますが、大分市では、観光という面などはどうですか?近くに由布院や別府等の温泉観光地がありますが?

小野:観光という面では由布院・別府には及ばないです。ただ、大分市はちょうど地理的に
両者の中心にあり、この二つの温泉観光地をつなぐ役目としての機能を果たしていきたいと思っています。

全ての人がまちづくりに興味があるべきなのか?

― 市民協働のまちづくりを推進していくなかで、難しさなど感じることはありますか?

小野:市民の間での温度差をすごく感じます。今度大分駅のすぐ近くに大きな体育館が建設されるのですが、より多くの人に利用できるようフットサル・バレーボール・バスケ等いろんな競技に対応できるように設計変更した方が良いと思って議会に提案をしたことがありましたが、結局当初の計画があるからそれはできない、と議会で反対されてしまったことがありました。
その建設計画をつくる過程で、多額の建設費用がかかるため、建設構想に関して意識調査をするのですね。すると、その建設構想を全く知らない人、興味のない人がほんとうにたくさんいたのです。
まちづくりに関して意識が高く、情熱的に取り組んでいる人がいる一方で、本当に関心の無い人は全く無い。そこの意識が少しでもあるかないかで地域活性化は全く異なってくるのではと思っています。
どれだけ一所懸命意識をもって取り組む人がいるのかが重要で、それは少人数よりも、少しでもたくさんいいた方がより活性化につながるかもしれないのでは、と考えているのですがいかがでしょうか。
― そういう考えもありますが、二極化してもいいという考え方もあると思います。小野議員も参加されている「龍馬プロジェクト」のように意志がある者が集まって、いい意味でも悪い意味でもグイグイ引っ張る「パレートの法則(2:8の法則)」のかたちでいくかたちもあるのではないかと思います。
まちづくりに興味のない人に興味をもたせるようにするのはよっぽど彼らの腹に落ちないとだめですし、「来たい人は来てもいいよ」、というスタンスぐらい良いと思います。そこで労力を負担するよりも、がんばっている人に注力したほうが良いと思いますし、その方がうまく行くと思います。
以前シンガポールを取材したときは、国がそういう施策を実践して、完全に二極化していました。もちろん選ぶ権利は彼らにもあり、必死で勉強すれば高級官僚や高所得層等への道が開かれていますが、そうでなければ一般的な労働者となる構図がありました。しかしそのことで、国は富んでいるし、セーフティーネットも万全で、全体的に豊かな暮らしが保障されているという現実もありますから。

従順・勤勉は日本人の長所・短所?

― 小野議員は海外での生活が長いですが、そこで見えてくる「日本のいいところ」ってどんなところだと思いますか?

小野:たくさんありますが、真っ先に頭に浮かぶのは治安が良くて安全ということですね。そしてある程度のルールをみんなに期待できるところです。
豊かさの意味はそれぞれ違いますが、物質的には豊かであり、みんなに教育の機会が均等に与えられているところも素晴らしいと思っています。
私は日本という国がとても好きだし、また生まれ変わっても日本に生まれたいと思います。日本人の特性といいますか、例えば礼儀正しかったり、勤勉だったりといった人間性が好きです。

― 礼儀正しさや勤勉というのは江戸時代の身分制度の確立とか、その時期にある程度出来上がったのではないでしょうか。課された責務を従順にこなし、言われたことはやる、言われていないことはやらない、といったことによって従順で勤勉な国民性ができあがったのではないでしょうか。いざ開国となって、その多様性とcreativityに満ちあふれている世界に放り出されて、いままで自分達の武器であったことが弱みに転じているようなことがずっと今も続いているのかもしれません。
しかし、従順な性格だからこそ、creativityになれ、といわれれば従順のそちらの方向へ進むのではないかとも思います。そういった面での教育の仕組みづくりができそうです。
日本のGDPの落ち込みに危機感を抱いている人も多いですが、別にGDPだけが指標でもなく、もっと多様性があっていいと思うのです。相対的にしかかんがえられないこと自体が多様性やcreativityに欠けているのかもしれません。
これからは多様性が必要となるし、小野議員に投票した人たちは小野議員に多様性を求めているのではないでしょうか。「この人は何か壊してくれる」と。creativityを駆使して、大分市を多様性にあふれる社会にしてほしいという願いが込められたと思います。

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