ライネフェルデ市の都市再生計画の歩みについて(1)

ドイツチューリンゲン州のライネフェルデ南部ニュータウン地区における都市再生の取り組みは、「減築」とよばれる手法に」で、世界でも注目される都市再生が行われた。その手法について、シリーズでお伝えする。


1.はじめに:最大の特徴は、「減築」

ライネフェルデ=ヴォルビス市(人口約2万人、以下「ライネフェルデ」という。)は、ドイツの中央、旧東ドイツのチューリンゲン州に位置している。
このライネフェルデ南部に開発されたニュータウン地区における都市再生の取り組みは、旧社会主義体制下に建設された都市の再生例として、世界に広く知られており、国連をはじめとする世界各地の都市計画賞を受賞している。
それは、今後、先進国に相次いで訪れるであろう人口減少社会の到来に合わせ、都市を適正な規模に縮小してその機能を維持しようとする先見的な事例、いわゆるShrinking City の成功例として、大きな注目を集めてきたことに由来する。

ライネフェルデ南部において実施された都市改造の最大の特徴は、いわゆる「減築」と呼ばれる手法にある。
これは、既存の集合住宅をすべて取り壊して新たな都市を建設するのではなく、人口の減少によって供給過多となった住棟を間引くように取り壊したり、一部分を除却したり、中の住居をつなげて間取りにバリエーションを持たせるなどの試みにより、住宅供給市場の安定とともに、既存住環境の高質化を図ることで住民満足度を高め、住民の流出を抑止し、新住民の獲得にも努めようとする試みである。
日本においても、明治大学や国土交通省等により、主に建築技術や団地再生の側面から、ライネフェルデ南部の都市改造が紹介されている。本稿では、編年体による記述を通して、これにかかる一連のプロセスを紹介していきたい。

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