芸術文化の力を活かした”愛”のある町の拠点づくり

NPO法人コンカリーニョは、札幌市琴似地区の「劇場」を核に、地域の人々の芸術活動の拠点として、市民と共に劇を行ったり、ワークショップやイベントを開催するなど、芸術文化の振興とそれをツールとしたまちづくり活動をしています。

コンカリーニョが目指す「芸術文化の力を活かしたまちの拠点づくり」とはいったいどういうものなのでしょうか。斎藤ちず理事長にお話いただきました。

劇場をもっと遊べる場所にしようよ


斎藤さんが大学時代から続けてきた、劇団の劇場兼稽古場として借りた札幌市琴似地区の倉庫。

そこで演劇活動をしていたあるとき、劇団員の一人から「ここをもっと遊べる場所にしてえみない?」、という一言が、斎藤さんを変えたそうです。

劇場を一般の人にも使ってもらい、地域の人と楽しく交流できる場になれば、という想いが芽生え、「コンカリーニョ」が生まれ、アートで紡ぐ地域コミュニティ活動の原型ができていったのです。

地域の愛が原動力!


*コンカリーニョの劇場(コンカリーニョのHPより)

「コンカリーニョ」とはスペイン語で「愛を込めて」の意味です。

地域に根差した劇団の活動を行っていくなかで、劇場そして劇団は地域の人々に愛され、支えられている実感を得、また文化芸術が地域の人をつなぐ力をもっていることも感じていた斎藤さんは、もっとこの文化芸術を地域のために活かしていきたい気持がどんどん強くなっていったそうです。

ちょうどその頃に持ちあがったのが、再開発による劇場の閉鎖の問題でした。

他の場所での活動の継続という選択肢もあったのですが、今まで育ててもらった地域の人、そしてこれからもこの地で、コンカリーニョとして、「志縁によるアートコミュニティと地縁による地域コミュニティをつむぐことによって、地域活性化、世代間交流を促進し、都市型コミュニティの再構築をめざす」というミッションを達成する強い意志を貫き通す覚悟ができたのです。

そこで劇場閉鎖後も同じ地でコンカリーニョを継続するために、地域の人々へ協力を呼び掛けたり、地域の人に向けた演劇のワークショップ等のイベントを積極的に展開していきました。その熱心な活動によって2006年に新しい劇場である生活支援型文化施設「コンカリーニョ」を再建することができたのです。

現在も、まちとアートをむすぶコミュニティ拠点「コミュニティシアター」としての劇場というハード、そしてソフトとなる様々な芸術文化を触媒として異分野・異世代をむすぶことで、地域の活性化に積極的に取組んでいます。

「愛を込めて」向き合うコンカリーニョ

劇場の他に、さらに文化芸術の発信による地域コミュニティの再生として今取り組んでいるのが「あけぼのアート&コミュニティセンター」の管理運営団体としての仕事の受託。

2009年11月にオープンしたこの施設は、閉校した小学校を再活用して札幌市が整備した地域コミュニティ施設。この管理運営団体となっているのがコンカリーニョ。

コンカリーニョは、文化芸術コミュニティと地域コミュ二ティの出会いの場としてこのセンターを活用していくために、様々な仕掛けをしています。
 
ハード的なものとしては、貸出スペース管理等がありますが、充実しているのがバラエティに富むソフト事業。ざっと挙げてみても、

・コミュ二ティレストラン
・入居団体が行う地域向けプログラムのコーディネート
・地域と共催する文化祭
・地域の人が講師となる講座の開講
・演劇教室
・演劇ワークショップの開催
等々、充実しています。
 
芸術・文化の振興、子どもたちの居場所、高齢者の居場所を確保する、という3つのコンセプトを守り、そこでコンカリーニョができることは一体何なのか、ということに対して向き合って出てくるアイディアを形にしていった結果なのです。

地域に支えられるコンカリーニョ、そしてそれに「愛を込めて」向き合うコンカリーニョ。このゆるぎない「愛」で結ばれる地域との関係づくりこそが、「協働のまちづくり」に大切なものなのではないでしょうか。

NPO法人コンカリーニョ
私たちは今、「コンカリーニョ」を原型に、自由度の高い舞台芸術の創造拠点であると同時に、芸術文化を触媒として異分野・異世代の「縁むすび」を可能にし、まちとアートをむすぶコミュニティ拠点となる劇場再建を目指しています。

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