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芸術を通じて「問い直す」ことから始まる地域づくり(2)| 香川県

Artの力で地域を変える取組み。先人たちがたくさんのヒントを遺してくれていました。後はそれを活かす知恵と勇気なのです。


実に世界の宝石なり

新渡戸稲造は、1911年(明治44年)発刊の小西和氏の著書「瀬戸内海論」の出版によせて、「瀬戸内海は、山容水態のふたつながら秀麗明媚にして何れの方面より観察するも、殆ど一点の非難をすら挟むことを能わず。真に天下の絶勝なりと謂うべし。人呼んで『日本の宝石なり』と云うも、余は実に『世界の宝石なり』と断言せんとす。」としたためています。
このように、瀬戸内には、何物にも代えがたく、素晴らしい自然がありました。しかし近代の効率性重視の開発は、空気や水を汚し、海を汚染し、海岸線は埋め立てられ、結局残ったのは過疎化や高齢化による産業の衰退、不法投棄される産業廃棄物などの負の遺産であり、美しかった景観は徐々に崩れていき、なんといっても住んでいる人の誇りと夢を失わせていったのです。
地域文化に必要なものは、地域に根差した知恵と勇気。

この動きに一石を投じたのが、アートの島として有名な「直島」。1985年から当時の福武書店社長福武哲彦が直島町と始めたアートとそれを包括する場である地域がともに成長し続ける関係を築くことを目的に進めてきた「ベネッセアートサイト直島」の取組み。この取組みは、「アートの島、直島」として人々を惹きつけ、多くの人が訪れるようになりました。Artの力を人々に強く感じさせ、そしてArtによるまちづくりの素地をつくることになりました。

先に紹介したとおり、元々瀬戸内には豊かな自然がありました。そして、伝統や文化、人々の暮らしがありました。その魅力に惹きつけられ、昔から多くの芸術家たちが滞在し、Artの題材にし、作品を遺してきました。
このように地域にあったものをフルに活かそうという知恵、そしてこれを地域再生の起爆剤にしよう、として勇気をもって実現したのが瀬戸内国際芸術祭。地域に根差した知恵と勇気が地域に新しいArtという息吹を吹き込みました。

この取組みは、今世界中から注目され、多くの人が訪れ、askを人々に発信しています。諦めたり、漫然と見過ごしたりすることからは何も生まれません。問題点や課題を探すから、新たな解決策がでる。そのことは人々に活力を生み、皆が集い、そして地域が活性化する源になるのです。

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