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30代移住者チームがつくる地域人財のプラットフォーム-宮城・山元はじまるしぇ

3ヶ月間、誰にも会いたくなくなるくらい疲れた

定期的に集まって話し合いを始めたものの、最初は具体的な話がまるで進まなかったという初年度。もう今動かなければ間に合わなくなるという段階まで来て、武藤さんは「俺がやるしかない」と覚悟を決め、全ての段取りをこなし、人を集め、会場や物品を手配した。

その結果、仙台や周辺地域から25店ほどの出店を集め、山の中の旧分校で年の瀬ギリギリに開催したにも関わらず、来場者は1500人に上った。数字で見れば成功であったが、スタッフの統制も取れない中の力技での開催に、武藤さんは心身ともに疲れ果ててしまったと言う。

武藤さん:終わってから3ヶ月くらいは、役場と自宅を往復する以外は何もしないし、誰にも会いませんでした。それくらい嫌になってしまって(笑) でもある時、伊藤さんから「このまま終わったら、地元に対して『ただの失礼な団体』で終わってしまう」と言われて、もう一度頑張ってみようかと。その時から、どうすれば多くの人にとって『ジブンゴト』になるのかを必死で考えるようになりました。

ゆるく楽しく、自主性に任せた場づくり

ケーキ店「Petite Joie(プチット ジョア)」のオーナー、伊藤さん

伊藤さんは震災前、パティシエを目指して仙台で働いていたが、結婚を機に奥さんの実家がある山元町に移住。仙台での勤務経験を活かして2015年にケーキ店「Petite Joie(プチット ジョア)」を町内にオープンし、同じ年の年末に開催された第1回「はじまるしぇ」には実行委員兼出店者として参加した。

内藤さん、横野さんも、伊藤さんより少し前ににそれぞれ埼玉県、仙台市から移住して農業を始めており、事業を始めて間もないタイミングで「はじまるしぇ」に出店者として参加していた。奇しくも同時期に移住して起業をした同世代が揃い、どうすれば多くの人を巻き込んだ楽しく意義のあるイベントになるか、試行錯誤が始まった。

“遊びある”ミーティングに仲間が集った

「はじまるしぇ」を『ジブンゴト』と思う仲間を増やすために工夫したのが、ミーティングの場づくり。第2回「はじまるしぇ」の開催は10月と決まったが、春先から定期的に関心のある人が集まる場を作った。

打ち合わせだけを目的にするのではなく、参加者が交流し楽しめる場となるよう、その都度、ミーティング会場を変えたり、ネタを仕込んだりする。新しく完成した防潮堤を見に行こうという名目で、真っ暗な砂浜でミーティングをしたこともあったと言う。もちろん、ろくな話し合いはできないのだが、楽しいし、その後も共通の話題として盛り上がれる。それが大切だった。

ミーティングの様子 [写真提供:武藤さん]

武藤さん:もちろん開催日が近づけば、スケジュールを考えてやるべきことは決めていきます。それでも「これをやってください」と指示することはせず、必ず「これ誰が担当する?」と聞いて自主性に任せます。

「誰も手が挙らないなら、そんなイベントはやらなくていい」というのがポリシー。多少段取りが悪かったり、うまく進んでいなくてもうるさく言わない。押さえるべきところは押さえながら、ゆるくてもいい部分はゆるくする。そういう〝遊び〟を作ることで、誰もが関わりやすい場になるのだ。

武藤さん[左]と、仙台から移住してトマト農園を営む横野さん[右]

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