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リカレント教育-人口減少を逆手にとった少人数学級から生涯学び続ける地域へ


人口減少が全国的にも大きな問題となっている昨今。宮崎県の県庁所在地である宮崎市から北に車で20分程度の新富町もまた、その問題を抱える街だ。

子供達の数が減少し、廃校・合併する小中学校が続出する中、新富町の小中学校は町内外の教員から大きな支持を得ている。それは、豊かな自然が溢れ文化が息づく環境で導入された『小中一貫教育』の導入だ。

そんな新富町の教育について、新富町の土屋元町長と教育デザイナーの稲田さんが、新富町の教育に関わる場をめぐり、対談を行なった。

教育現場から見えてくる地域の魅力

現在は、新富町社会福祉協議会で会長を務める土屋元町長。新富町長を3期務め、一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)の立ち上げなど地方創生に尽力した。土屋元町長は小中学校の教育にも力を注ぎ、現在多くの教育現場でこれまでの努力が実を結んだ。

そんな町長と共に、新富町の教育現場を視察したのが教育デザイナーの稲田さん。“外の世界で多くを学び、経験を蓄えた若い人財が地元に貢献する。”そんな地元愛にあふれた人財を育むためには、義務教育の充実に重きを置くべきだと考えている。

今回、土屋元町長と稲田さんは『富田浜(とんだはま)』『座論梅(ざろんばい)』と県の指定史跡にもなっている古墳群と『上新田(かみにゅうた)学園』を視察。教育のイノベーションに携わる2人は、新富町をどう見たのか。

豊かな自然と文化から地域を学び、地元愛を育む

富田浜ではウミガメの保護をはじめ、地元の人が自主的に活動を行なっている。高校生のカヌー合宿場所としても有名で、県内外から多くの強豪校が集い会場を賑わす。

神武天皇と所縁のある座論梅。1本の梅の木から成る座論梅は、側から見ると梅の木々が並んでいるように見えるが、幹の根元を注意深く見るとすべての木が繋がっていることが分かる。

そして、新富町の古墳群を見渡せる丘は地元の住民しか知らない隠れスポットだ。近くで見るとその全貌が捉えづらい古墳だが、この丘に登れば一望することができ、目の前には新富町の豊かな大地が広がる。

新富町には、自然と文化が溢れている。これらを後世まで引き継いでいくことが地元への関心を持ってもらうきっかけになると思うし『将来は地元に戻ってきたい』と考える若者を増やすためにも必要なことだ。

豊かな自然を目の前にして、土屋元町長は語った。

挑戦し続けられる自主性が養われていく

新富町の自然と歴史を再認識した2人の次の行先は、小中一貫教育を導入し今年新たにリニューアルした「上新田学園」。同学園の川越校長と共に、学園内を視察した。

上新田学園の児童・生徒数は各学年1クラス編成で平均20名程度。子供達の数が激減している地方に、小中一貫教育を導入したことで得られたメリットの数々が、土屋元町長と稲田さんを驚かせる。

少数だからこそ実現した新たな教育の形

学園内は、木材の暖かさに溢れ、広い多目的スペースから各教室を見渡せるひらけた空間が印象的だ。そこでは、挨拶や笑い声、子供達が元気に返事をする声が心地よく広がる。

授業は小学校と中学校の教員が協力し合い、行なっている。時には中学校教員が小学生を教えることもあれば、20人の児童・生徒に対し2人の教員で望むこともある。

1人では時に問題を抱えがちな担任も、協力し合うことで負担も軽減でき、新たな授業のカタチを作ることができる。

と、川越校長は語った。一方で、土屋元町長が今でも頭から離れないというのが以前出席した入学式だという。

小中それぞれの新1年生同士が手をつなぎ、入場した姿に感動した。整列するときも、小学生と中学生が交互に並び、小学生はお兄ちゃん・お姉ちゃんの姿を見習って真剣な表情で式に臨み、中学生は、小学生のお手本となるべく高い意識を持って臨んでいた。このような入学式は小中一貫だからこそできる素晴らしい教育だ。

と、満面の笑みで話す。

「子供たちがやりたいことは何でもさせてあげたい」と語っていた川越校長の言葉どおり、学校行事も子供たちが自主的に案を出し合い企画していくのが上新田学園流だ。そんな環境で、子供たちは自主性や協調性、リーダーシップを学んでいく。

上新田学園を卒業した生徒たちと将来話せる日がくるのが待ち遠しい。ここで学んだことが、どのように社会に影響を与えるのか楽しみだ。

子供達の溢れる自主性を目の当たりにして、稲田さんは目を輝かせていた。

地方創生に大切なのは創造性とスピード

視察後、対談を行なった土屋元町長と稲田さん。対談の中では、「こゆ財団」を立ち上げた経緯について、土屋元町長が話しはじめた。

行政だけで問題を処理するには時間がかかる。悠長な姿勢では地方の問題は解決しない。新しいアイデアが集まり、いざカタチにしようにも、スピード感がない。それでは先に進めないと考え、民間の方に力を借りたいと考えたのが「こゆ財団」。若い世代が、主体的に地元のために動いてくれる姿を見て、自分自身も活力になっている。

新たなアイデアを生み出す創造性は大切だが、カタチにできなければ絵に描いた餅。スピード感を持って実行しカタチにする事で見えてくる課題もあるだろう。まずは1歩先に踏み出すことが地方創生には欠かせない。

『外の世界』で得た知識と経験が、地元に還元される

都心部への人口流出が拡大する中、外の世界で多くを学び、経験を積んだ若者が地元にUターンできるような環境を整備したいと考える稲田さん。その思いに共感する土屋元町長は、

いつまでも地元のことだけを見ていたのでは成長できない。町の外には素晴らしい知識や技術が溢れているし、それを見て体感することが大切。「外で育んだ知識や経験を、いつかは地元のために活かしたい。」そう思うことができる人財を増やしていくために、まずは地元を好きになってもらいたい。教育は、地元を好きになってもらうきっかけだ。

と、地域における教育の意味を熱心に語る。「これからも様々な文化に触れ、勉強していきたい」と話していたその姿を見て、新富町には確かな教育の輪が根付いていると感じた。

豊かな自然と息づく歴史、そして自主性を育める魅力的な教育。これからの新富町には、創造性にあふれる自立した人財が次々に誕生するだろう。

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