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岩手移住「参拾伍番館」プライバシーの無い田舎暮らし、地域おこし協力隊がカフェ開業

岩手県にある太平洋に面した人口3000人ほどの村、普代村。

平成30年6月1日、普代村役場ふれあい交流センター内に「参拾伍(さんじゅうご)番館」というカフェがオープンした。図書館とつながっているため本を読みながらくつろぐこともでき、パソコンも置かれ、インターネットカフェのような利用も出来る場所だ。

そんなカフェをオープンさせたのは、地域おこし協力隊の山火智美さん。岩手県滝沢市から一旦は東京に移住し、旅行関係の仕事に着くも、普代村へJターン移住した彼女の想いを伺った。

地域おこし協力隊として地方移住

岩手県北上市から東京へ移住し、旅行関係の仕事についていた山火さん。

いつしかお客さんに楽しんでもらう“受け入れる側”での観光事業がやりたいと思うようになったそう。地域おこし協力隊には観光関係の仕事に取り組んでいる隊員が多いことを知った山火さんは、地域おこし協力隊に興味を持ち、インターネットで地域おこし協力隊の募集を探した。

普代村の地域おこし協力隊の募集サイトが文字化けしていたんです。ぶっちゃけ、それがいいなって思って(笑)

もちろん、普代村地域おこし協力隊の募集内容や応募条件が自分にマッチしていたことや「女性歓迎」と書いてあった点も応募した理由ではあったが、他の自治体のオシャレな感じがする募集よりも魅力的に感じたと言う。

とはいえ、普代村に行ったことがなかったため、応募する前に姪っ子と普代村へ訪れたそう。驚いたのは海岸で会ったおばあちゃんに「どこから来たの?」と話しかけられたことであった。

あ、よその人だってわかるんだ・・・。

逆に言えばそれだけ村の人たちの関係が近いという事でもある。普代村地域おこし協力隊の面接では村長に「隣の家に醤油を借りに行ける村です。」と言われたそうだ。都会では人が人として扱われていないような気がしていたという山火さん。人の温かさを感じられる地域への移住はまさに望んでいたことであった。

観光の仕事志望からカフェ開業

当初、旅行・観光関係の仕事をしたいと考えていた山火さん。カフェをオープンさせることになった背景には、移住して気持ちの変化があったのだろうか。

カフェは表の顔です(笑)

地域おこし協力隊として山火さんに与えられたミッションは「地域づくり」だそうだ。まず地域の人たちが集まって“たむろ”してもらえるような交流スペースを作り、そこから『何か』を始めたいのだという。

例えば、色々な技を持っている村民講師によるカルチャースクール、あるいは、村の特徴を生かした体験メニューもやりたいそうだ。

しかし、そう言った企みは敢えて言わないようにしているのだそうだ。強制せず、あくまで人が集ったことで自然発生する形が理想。ゆくゆくは旅行者も仲間に入って情報が得られたりするような、色々な展開を迎えるためのスペースにしたいと山火さんは語る。

地域おこし協力隊がカフェを開業する方法

地域おこし協力隊が事業を始める方法は各自治体や人によって異なる。山火さんはどういった段階を踏んでカフェをオープンさせることができたのか。

私の場合は、まず企画書ですね。場所もここがいい!って指定しました。

特に助言を受けて始めたものではなかったそうだが、村役場に出した企画書は問題なく村長決済まで下りたという。

村役場のふれあい館であるため、現在は家賃かかっていない。リノベーションには地域おこし協力隊の事業費を使っている。売り上げはすべて運営費に充て、地域おこし協力隊の業務時間に営業をしているとのこと。

今後の問題としては、今は一人でやっているが人を雇うとなると給料をどうするかということや、地域おこし協力隊の任期終了後にどうやって経営をしていくかということだ。

お店のコンセプトやこだわり

カラーセロファンを使った照明やイラスト・メニューの飾り方が、手作り感とおしゃれな雰囲気をマッチさせている店内。耳心地のよいジャズが流れているが、しかし・・・。

ジャズはまったくわかりません!

なんと山火さんは特別ジャズが好きというわけではないそうだ。ジャズのCDは村の人が持ってきてくれたものだと言う。カフェオープンに伴って村の人や隣村の人が色々なものを持ってきてくださり、テーブルクロスや置物に至るまで実は貰いものとのこと。

中には縁起ものだという「お福さん」という可愛らしい置き物もある。

コンセプトは「異人館」で、神戸のスタバみたいにしたいのですが、違って来ちゃいそうです。

カフェの場所は元村長室で、カフェオープン前は倉庫になっていた。椅子やテーブルなどの備品はそこに眠っていたものを使っている。寄せ集めでありながら、まとまりがあるのは山火さんのセンスだと感じた。

おすすめメニューは、スムージー「Hayato」。名前はハヤトさんの育てたホウレンソウを使っていることから付けられた。ハヤトさんのホウレンソウは近くの道の駅で買うことができる。フルーツの甘さとホウレン草は相性抜群。飲みやすく、暑い夏にぴったりだ。

カフェを軌道に乗せて、色々な方向に手を出したいです。カルチャースクールもそうだし、とにかく「仲間を増やすこと」が第一歩です。

人口が少ないのもあるが、20代・30代の女子は、役所の人しか周囲にいないのが寂しいという。若者にもっと遊びに来てほしいそうだ。

田舎暮らしの悩みと夢

困っていることは・・・田舎はデリカシーの無い人が多いなって思います。

人との距離が近い分、プライバシーにも土足で入ってくる人が多い。これは地方ではあるあるかもしれない。また、お年を召した地元の方には特に“派閥”のようなものがあり、地域づくり活動において巻き込んでいくのには注意しなければならないこともある。

都会から移住した人が、人付き合いに関してカルチャーショックを受けるのはこういったところかもしれない。その点が嫌で都会に出ていく若者が、少なくないのであろう。

そんな山火さんに、夢を伺った。

全然関係ない夢でもいいですか?超金持ちになって60歳くらいに南アフリカのブルートレインに乗りたい!しかも移動は全部ビジネスクラスで(笑)

まずはカフェを軌道に乗せて、色々な方向へ事業を広げていきたいという山火さん。

本が好きで、アガサクリスティの『ブルートレイン殺人事件』の絵をカフェに飾っている。夢を掲示することで叶える力になるというのは、有名スポーツ選手もやっている成功法だ。

これ、殺人事件なんですけどね(笑)

そう言って笑う山火さんの笑顔に癒され、私も同じ地域おこし協力隊として、頑張る力が湧いた。

聞き手:藤織ジュン(岩手県久慈市地域おこし協力隊・東京出身)

店舗情報

「普代参拾伍番館」(ふだいさんじゅうごばんかん)
住所:岩手県下閉伊郡普代村第13地割普代87−2
電話:080-6011-3535
時間:9:00〜17:00(飲食の提供は11:00~15:00)
定休:日曜・月曜

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